ビッグデータ、AIで2000社以上のビジネスをサポートするユーザーローカル
ビッグデータAI解析企業であるユーザーローカルを今日は取り上げて行きます!
前回の記事にてユーザーローカルが上場来の最低PERまで落ちてきたのを書いているので、そちらも読んでみて下さい・ω・
実は過去最低PERまで落ちているビッグデータのAI解析企業"ユーザーローカル"2022年6月期 決算説明資料 |
私は経営学やベンチャー論を大学でやっていたので、企業のパーパスはよく見ています。
ユーザーローカルの企業理念はビッグデータと人工知能で世界を進化させるという非常に分かりやすい理念ですね。
労働力不足となる今後の日本において、自動化と効率化は必須なため、パーパスは時代にマッチしています。
ユーザーローカルの主力事業
AIやビッグデータ関連の企業はどこも似たような事してるだけ?という偏見を個人的に持ってまして、主力事業をしっかりと見ていこうと思います!
現在はデジタルマーケティングSaaSが主力事業であり、決算短信でも単一セグメントとなっています。
そのため、決算説明資料にある以下の2事業が主力のようです。
2022年6月期 決算説明資料 |
アプリやサイトのデータ収集からアクセス解析をし、顧客のマーケティングに反映させる解析ツールですね。
Social Insightの導入事例を見てみると
パナソニックは季節ごとの製品PRの際にユーザーローカルの口コミ分析からユーザーの関心や性別、年齢層を把握して層にあった情報を発信して反応が増えたとのこと。
また、Twitterなどである応募キャンペーンを自動化できるため、フォロワーが多い大企業はユーザーローカルのSNS解析ツールを利用しているよう。
User Insightの導入事例では
会計ソフトのFreeeは記事が読まれるものの、その後の反応が悪いという課題で
記事のまとめ部分でほとんど離脱するという分析結果から、バナー等を上部に配置することで改善しています。
事例は他にもいくつもありますが、大企業も多く利用しており、人数数や対応力が良く、解析ツールの豊富さからユーザーローカルが選ばれているようです。
ユーザーローカルの強み
ビッグデータ解析に強みがある点は分かりました。
大企業はSNSやウェブページをこれからもっと改善し、活かしていくことから今後も主力サービスの伸びに期待できますが、その強みの源泉を見ていきましょう。
2022年6月期 決算説明資料 |
AI人材の獲得は国内外問わず難しくなっています。
ユーザーローカルは開発部内のAIエンジニア比率が70%と極めて高く、AI事業への投資を加速しています。
2022年6月期 決算説明資料 |
また、官公庁から大企業の多くが利用しており
金融はパークシャテクノロジーが強みを持っているのでメガバンクがないですが、国内の大企業が利用しているため、深堀りで業績拡大に期待できます。
今後の戦略
まだまだ主力事業で成長できるでしょう。
しかし、さらなる新サービスで成長を狙っているのでそちらを見ていきます。
ユーザーローカルは買収よりも、自社人材を育成してプロダクトを開発していくタイプのようなので、利益を確保しながらの安定的な経営で投資しやすいと思いましたね。
2022年6月期 決算説明資料 |
上で紹介したデジタルマーケティングSaaSを軸としながら
今後はAI DX SaaS事業を成長分野とするようです。
このためにAI人材を拡充しているようで、自社でのアルゴリズム強化等を推進中
2022年6月期 決算説明資料 |
ユーザーローカルが位置するAIシステムやDX市場が拡大することから、競争はありますが市場成長に合致する形の成長を目指しています。
そのためパーパスのところでも上げましたが、労働力不足という点をAIで解決していくということを今後の戦略で書いています。
今後の成長セグメントであるAI DX SaaSの進捗として
チャットボットの強化を軸としているようです。
チャットボットは竹中工務店、ファミリーマート、興和、ゆうちょ銀行、千葉県などが導入しており、着々とサービス浸透が進んでいるようです。
ユーザーローカルの業績
銘柄スカウター |
業績は安定的な右肩上がりで、来期予想は20%増収15%増益に留まっていますが、成長率は直近は増加傾向でした。
業績予想の修正履歴を見る限り、ユーザーローカルは弱めに出しているようで上場来で下方修正したことがないため、最低でも上の数字は成長すると見ていいでしょう。
銘柄スカウター |
キャッシュフローの推移では営業CFが右肩上がりで、これを活用して人材投資や研究開発を進めています。
また、フリーCFは上場来でプラスであり健全性は高いです。
予想PERが30倍 / PBRが4.5倍 / ROE 14% / 自己資本比率 88%
と、極めて堅実な企業かつPERは他のAI関連企業と比べたら割安でしょう。
SNSやウェブ分析分野で強みがあり、継続利用されていることから、さらにデータを収集し成長へ繋げていく。ビッグデータという21世紀の武器を活用して業績は今後も伸びるでしょう。
終わり
ユーザーローカルはSNS分析、ウェブ分析、AIチャットボットにより膨大なビッグデータを収集し、蓄積することで精度を高めていき品質を上げていくことでサービスの堀を作っていくビッグデータAI解析企業です。
ビジネスサポートに特化しているため、割と狭いレンジの中での事業に留まっているように見えますが、AI人材を活かした新事業と既存事業の強化に注目です。
ちなみに、ほとんど話題になってませんが人工知能を活用した『Vtuber』システムを今年の1月からサービス提供しているみたいです。