アメリカは利下げするしEPS向上、日本は利上げEPS低下
なんとか上昇トレンドを維持していた日本株は高値トライに失敗して売られている状態になっています。
当ブログでは5月末に私が持ち株を利確したことを書いていまして、日経平均株価は私が売ったタイミングから5%上昇、個人投資家が集う東証グロース250は725→772ピークで足元は718に低下しており私が利確した水準以下まで戻っています。
私が今年大きな投資をしたのは4月のトランプ・ショックのときだけなので、5月末でも日経平均株価で24%、グロースなら40%上がっていたので十分に売っていい水準でした。
日本株指数は普通に厳しい
日本は利上げしているという点だけで世界の他の指数と違って高値更新できていません。
逆に言えば、他が利上げする中で実質金利を大幅マイナスにして高値更新していたのが1年前までの環境だったので逆転現象みたいな感じです。
ヨーロッパ株は利下げの一点だけでEPS横ばいでも株価は高値更新を続けました。
日本株との違いはEPS横ばいor低下の中で利下げが重要であり大きな差です。
少なくとも目先の日経平均株価やTOPIXのEPSは低下であり、日本企業の業績は関税で落ちています。
業績が落ちている中で利上げをしているので本来の反応は高値どころか、安値切り下げレベルですが株主還元と自社株買いで何とか横ばいにしている銘柄も多くあります。
他方でアメリカは今年の利下げを残しており、来年は増やすでしょう。
利下げ期待がある中で関税でも主要企業の業績は伸びるのでEPSが上昇しています。
利下げ幅で言えばヨーロッパは平時なら出尽くし感があるので関税とか色々問題がありますが、結局はアメリカ株と言える展開になっています。
日本株ではアルファを取るしかない
日経平均株価もTOPIXも業績が伸びないので大型株の業績が伸びていない状況です。
その中で東証グロースのような中小型株が上がっていたのは資金循環とアメリカ利下げ、相対的なEPS改善等の要因があるでしょう。
全体の業績が横ばいor低下の中で伸びている企業を探すと結局は最近の相場で強かったアルファ銘柄になります。
アルファを狙う場合は超純粋に投資銘柄次第なので日経平均株価やTOPIXのEPSは無視していいし、日本の緩やかで上限も小さい利上げから影響は大きく受けないです。
ここから日経平均株価や東証グロースのベータを取りにいくのは十分上がった分だけ旨味が少ないように思います。
アルファを取るときのリスクはベータが取れないことで、日経平均株価がここから10%上がる事態になれば完全に置いていかれるので何があっても20%上がるアルファのある銘柄に投資しないと超過リターンは期待できないでしょう。
利下げさえすれば株価は上がる
最近の日本株でEPS向上に慣れすぎた投資家は、EPS向上と株主還元強化の二重の効果に慣れてしまっており業績と株主還元に限界感があると、やや無理やりなテーマ株を連日乱高下させる資金の受け皿の動きの停滞が起きている感があり、私が利確したのもこれを感じたからです。
ヨーロッパ株が先導したように利下げはやはり株価にもっともインパクトがあり、データを見るにEPSよりも効果が短期的にはありました。
アメリカ株は足元では利下げとEPSでじりじり上がってきており、日本が将来利下げするときの希望でもあります。
日本の利下げ余地はほぼないですが、マイナス金利と量的緩和に逆戻りするデフレになるなら少なくとも金融緩和を解除できなくなるので大型グロースの相場が再び来ることに期待できます。
利下げがテーマとしてもっとも遠かった日本株は、半導体相場はあっても大型グロース相場はコロナ後数年以降は来ていないので利下げを前提に銘柄を探しても面白そうです。
少なくとも日本国内部で経済成長できる政策も経済指標も出てきていないので、他の国が利下げしていく状況なら日本の成長は当然マイナスになるでしょう。
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全然改善されない関税の影響は思ったより相場に織り込まれていないリスクがあります。
日本は利上げが続いているので、仮に利下げに転じるならこれも織り込まれていないテーマです。