日本の10年金利が1%へ到達、異次元の金融緩和と完全におさらばへ
長期金利が1%台をつけるのは2013年5月以来、およそ11年ぶりです。
日銀が金融政策の正常化を早めるという見方が出ていることに加え、アメリカでの早期の利下げ観測がいくぶん後退してアメリカの長期金利が上昇したことから、これに連動する形で日本の国債を売る動きが強まっています。
日本の10年金利が2013年5月以来の水準へ上昇しています。
2013年5月…?、そう日銀による異次元の金融緩和の開始があった翌月以来の水準ということです。
日本の長期金利はアベノミクスと異次元の金融緩和から右肩下がりとなり、金利低下で銀行の収益性が低下して金融株の超長期の下落となりました。
今回の日本国債下落で損失が発生する銀行もあるでしょうが、その短期の影響を乗り越えるか増加する金利でリスクコントロールすれば銀行の収益性は上昇となるはずで、長い金融緩和からの脱却は本日の金利1%到達でより現実的になりました。
日銀 展望レポート 3年間の物価見通し“上昇率2%程度で推移”
日銀の物価見通しでは2%程度のインフレを予想しており、これに従うのなら長期金利は1%を超えていく可能性はあり、1.5%程度までは金融正常化の進みによっては上がると思います。
借入金利「1%上昇」で企業の7%が「赤字」に 利息は年270万円増、経常利益は9%圧縮 1社平均試算
銀行側にとって金利上昇はいいが、帝国データバンクは金利上昇により1%上昇で企業の1割が赤字となり、経常利益も1割減少すると試算している。
これは借り換えや追加借り入れをしない前提となっているが、借り換えの金利は上がり、追加借り入れの金利も上がるので潰れる企業が増えることになるだろう。
コロナのゼロゼロ融資やマイナス金利からの上昇を考えれば2%上がることは全然あり得るとし、2%上昇のケースの試算だと経常利益は2割押し下げとなる。
インフレや円安で価格転嫁が進まず、値上げで数量ベースで業績が落ちている企業にとって、金利が増えれば複合的に利益を押し下げる要因となるでしょうから、金利と異なる外部要因で業績悪化する企業が増えるのは金利上昇が続く以上は避けられないと思います。
既に増加の勢いは増しているが…
早期・希望退職を募集する大手企業続出、3年ぶりに1万人超の可能性…黒字のうちに構造改革か
企業は馬鹿ではないのでインフレや金利上昇による外部要因悪化による利益が減少や赤字となる前に人員整理を始めている。
グロースしている企業までも人員整理しているので、特定の業界ではなく兆候がある会社や生き残りをした企業は早々に人を切るのは仕方ないでしょう。
人を減らして経営を効率化して、新規人材を高待遇で迎える。
日本はやや遅れて人員整理が増えてきたが、米国企業は今年もマッハでレイオフしている。
テスラ、Google、シスコ、ピクサー、ワーナー・ブラザース…
米国企業のレイオフは探せばきりがないほど出てきます。
企業は金利上昇など以前のような成長が難しく、苦境になるときはすぐに人員を減らして軽くして、AIなど苦境下でも成長性のある産業があればレイオフで軽くして、新規産業へ投資をすることでイノベーションを生んできたので日本企業も黒字にうちに人員整理して、そこで軽くして新規産業の人員を集めたり研究投資するなら問題ない。
金利状況が変化してきて、国内企業の動向も変化してきた。
金利上昇は少なくとも業績悪化に繋がるのは分かっているので高債務の企業への投資は考えたい、グロース企業は債務で売上を伸ばして、最後には高い利益率で回収する…、不動産開発の企業は債務で開発して後で回収する…