ゴールドマンは過去のバブルと違うと言い、JPモルガンはバブル形成と言い、経済はノーランディング期待が高まる
大手ハイテク株主導の米株高、過去のバブルとは違う-ゴールドマン
ゴールドマン・サックスはビッグテックのバリュエーションから過去のバブルとは異なると指摘し、まだAIや半導体バブルが続くと見込んでいる。
PSRの高さ水準で過去より低いというのが上の理由だが、2021年は赤字でも成長が許された相場だったのでPSRは自動的に高くなった。
2023年以降は赤字より利益、売上成長より効率という企業経営の方針転換で企業はレイオフで利益を生み出し、売上成長はAI分野への集中に絞って成長低下だが利益が増えてPSRのベースとなる売上成長自体が2021年より悪化している。なのでPSRは低い。
米国株はバブル形成中か、JPモルガンとゴールドマンで見方割れる
JPモルガンは米国株の上昇、ビットコインの最高値などからフロス=バブルへの蓄積が進んでいるとし、バブルへ繋がっていると見ている。
JPモルガンの見立てはバブル形成中という意味なので、今がバブルかはさておき、バブルへの道は進んでいるという点で、過去と違うとしているゴールドマンと一線を画す。
今がバブル的だと思うのは、AI関連が何でも買われだし、物色が広がり、材料があればファンダメンタルズへの反映が何年先でも株価が50%、100%と上がっていくことが多発している点でしょう。ビットコインがバブルとは思えないですが、草コインが強烈に上がっていくのはバブル的で代表資産がある程度上昇していくだけなら一極集中ですむが、関連しているだけの他資産を急騰させ続けるのはバブル。
「ノーランディング」の可能性に現実味、ルービニ氏が米経済を楽観
米国は日本よりも株式投資をしている人が多いし、暗号資産も若い人は多くが保有しているので資産効果で経済が強い。日本は持ち家はあっても株を持っていない資本主義無視者が多いので資産効果が限定されている。
リーマンショックを当てたルービ二は米経済が今年も好調だと見ている。
最近、大方の予想は2024年の軽い景気後退に意見が移っているので景気後退論は2022年後半?2023年内?2024年?と先に送られている、もしトランプが勝利して強烈な経済政策と減税的政策をすれば2024年の景気後退もなくなるだろう。
ルービニのノーランディングは米国の成長維持と高金利維持という話なので、中立金利が上がっているという最近の見方にも合致し、利下げが少ないので株高を持続させない逆説的な意見となる。ソフトランディングは株高の材料となってきただけに…
米製造業の景況感は悪化し続けており、ぶれ幅があるのでこれだけでリーマンショック級!とは言えないが、少なくとも株高を背景に景況感が良くない。
米消費者の景況感、3カ月ぶりに冷え込む-ミシガン大の2月調査
米消費者のマインドは若干落ち込んだが強い回復を続けている、PCEの落ち着きと雇用の環境の逼迫、資産効果で消費者の景況感は悪化していない。
上の情報をまとめると景気について一方向の見立てはできないので、なあなあで株価は上げやすい。景気が良すぎればインフレ懸念で高金利確定なのでハイテク株が続かない。
景気が悪すぎれば利下げの話が最重要になるので、今は利下げ回数が曖昧でも株高なので悪くないことが株高になっている。
景気については今のように格差があって、良いと悪いが両方存在する方が株高のメインストリートに悪影響を与えないので、バブルを形成しているというJPモルガンの見立てに賛同しつつ、まだバブルがクライマックスだとは考えづらい。
ITバブル崩壊もきっかけがあったので、何かしらのイベントが崩壊の引き金をひくはずで、そのイベントが巨大でなくてもフルアクセルの相場は急落に弱いと思う。
ゴールドマン・サックスが書いたようにバリュエーション的にビッグテックは割高すぎる水準ではない、だがAppleやGoogle、テスラは年初から株価が下落しており、マグ7やビッグテックの一角が崩れだしており、それを他の出遅れ銘柄が資金の受け皿として相場を守っている。本格的にマグ7の全部が下落すれば他の銘柄で崩壊を防ぐのは難しいだろうか?最近はビッグテックが下がっても他のセクターが頑張ったりしている。
日本株も本日は半導体が下がるが、銀行や建設という割安改善期待が成長期待の下落をカバーした。
過去のバブルとは違う!という意見は、バブルのたびに出てくるので100回目の真実であることを願いたい。ノーランディングでバブル。新たな狂騒の20年代と言えるだろうか…