日経平均株価と中小型株の目先期待
本日は半導体株が下がるものの多くの銘柄に資金が幅広く流れたので一極集中から分散の様相となった。
特に中小型株は強くグロース市場は大幅高が多く、AIやSaaSなどのPERでなくPSRで評価される企業が買われているのは物色が拡大した感じがあり、日本株全体の循環で言えば日経平均株価大上昇→中小型株という流れが何度もあったのでいつものトレンドだと日経平均株価の上昇ガソリンが尽きて、安易なリスク資金が安い軽油で動く中小型株へ流れている。
日経平均株価の上昇余地
PER的に日経平均株価が年初からの上昇を続けるのは不可能で、主要企業が来期20%増益まで向かうなら上昇余地はだいぶ大きい。10%なら過熱感残しながら上がれなくもない。いまの水準なら日経平均株価のEPSは2桁は最低で上がらないといけない。
もし、PERでなく違う指標を日経平均株価に使いだしたら危険で、最近だと日経平均株価の騰落レシオ的にまだ上がるなどの他の指標が使われだしている。騰落レシオは2日あれば過熱感MAXになるので割安と割高は測れるがニュートラルさと日経平均株価の完全な評価はできない。騰落レシオから見れば割安なので他の市場に流れたり、まだ上がるからと中小型株に流れるのは自然といえば自然です。
その上で海外資金で日本株が上がり、中国株が上がらないなら日経平均株価は上昇余地がある。中国株が世界株から除外されだしておりETFが比率を整えたり、海外投資家が日本株のウェイトを引き上げるなら資金の流入は期待でき4万円超えは余裕で捉えることができる。
既に日経平均株価は日本人が売り、外国人の買いが続いているので上昇トレンドは外国人投資家次第で外国人が売り始めると一瞬で崩れると思いますし、日本人は簡単に逆張り買いしないと思います。
ここ数年は日経平均株価の押し目買いだけでいけたし、新Nisaがあるので日経平均株価が反落しだすと安易な押し目買いで焼かれる人が増えるかもしれないので、反落する前に10%下がっても損失がないセットアップを作っておくといいでしょう。
現在の日経ボラティリティからすれば4万円超えか、あるいは3万5000円下まで一気に下るかの二択で、ボラティリティが下がりながら日経平均株価が±1500円でレンジ相場になるなら、その間でグロース市場が一度は大幅上昇する可能性はある。
グロース市場が復活!?しかし…
日本株で上昇余地が残されている市場はグロース市場や旧マザーズだろうと思います。
指数は安値から10%以上上がっており、もう少しでグロース市場にも上昇トレンドが発生する。
ですが、そこに含まれるAI株は下値から5倍〜10倍と上がっていますし、SaaS系は十分に反発しているので他の銘柄に資金が流れる理由は日経平均株価からの下への流れ以外はない。
現在のグロース市場へ投資する人は安値で仕込みたい、日経平均株価への逆張りのどちらかなので日経平均株価をショートして、中小型株をロングしている可能性もある。
こうなると日経平均株価が横ばいや少し弱い日にグロース市場が強くなるのは特殊な投資家の期待がありそう。ただ、少数なので日経平均株価が大幅安だとグロース市場も全部売りになる。
もう1点、半導体株とAI株のロングがリスク選好の投資家のスタンダードパターンとなっているので、主に半導体が崩れるとAIも崩れやすくなる。片方が多少安くなるくらいなら分散的にいいが、大幅安は両方に及んでいるのを何回か体感してきたので一部はディープバリューにするなど対処がないとトレンド転換の一斉売りで急激にパフォーマンス悪化させるかもしれない。
グロース市場が米国利下げを期待しているならまだ先だろう。
バリュー株との強弱から逆張りしているとすれば継続的でないですし、AI株の上昇は日本だと関連の大型株が少ないので実力が追いつかない企業に資金が集中しているのでブーム後に実力が期待に届きそうな企業は2,3社しかない。
少しマクロに触れておくとPCEと雇用統計は今の投資家の期待を外すかもしれない。一度だけなら短期の問題ですむが、今のボラタイルな市場だと一発の期待外れで指数が±3%まで動く可能性があり、リスク選好銘柄は指数の倍以上動くので5%から10%も1日で動く。
私が追加投資した半導体株は先週は1日で10%上がり、違う銘柄が遅れて本日に10%上がった。
動く銘柄はとにかく動くので動かない銘柄への期待はボラタイルな相場では0に近く、しかし急落リスクだけ伴っているので期待を取るべき。期待、とにかく期待。来期予想が悪くても政府の支援と業界の期待があれば良い。数年後に期待している投資家が多いが誰も数年後まで待たない。期待を圧倒的に前借りして株価は上がっていく。実力に追いつくのに10年かかる企業があるかもしれないが…
期待のシンボルことさくらインターネットを最後に見ておこう
1年前に600円台だった株価は今月で6400円まで上昇した。
時価総額は2400億円まで上昇し、エニカラーやフリーなどの急成長企業を20%以上も追い越しており、このままならメルカリに迫ることもできるだろう。
利益率や利益の成長率はエニカラの半分以下、売上成長はフリーの半分以下。
さくらインターネットはPERが270倍、PBR26倍、ROE8%、PSR12倍
どの指標から見ても割高ですが、AIバブルが産んだ銘柄は上のようにPER3桁、PSRも2桁が多くあるので、日本の成長企業のPSRが3から5倍くらいなので株価だけ見れば半値が普通くらいの評価。
来期に売上3倍になればPSRは許容できる、利益なら5倍になれば当然許容できる。
持続性のある業績で考えると毎年、売上は+50-75%コンスタントに増やせるなら株高継続できるし、利益は40%増え続けるならいい。
Nvidiaを見るにAI関連は初年で一気に業績が拡大して、そこから成長率が落ちるペースなので過去のSaaSバブルに似ており、ファンダで新規投資したいAI関連はほぼない。