世界のマクロ環境への個人的見方
インフレ率と政策金利の差が株価の明暗をを分ける説にて、なるほどインフレ率と金利の動きである程度株式のパフォーマンスが分かるなと見ていきました。
そこからですが、中国が利下げ期待で株高となっており、これは中国の低インフレと高い政策金利という投資しづらい状況への改善期待でた中国株が上がる理由も十分に説明できていました。
これからの世界はインフレ再進行というよりはインフレ定着への警戒によるタカ派姿勢の維持をしています。
つまり、モノのインフレではなくサービスや資産インフレに中央銀行は警戒するフェーズです。
=崩れてほしいのは賃金であり、失業率であり、不動産でしょう。
アメリカであれば賃金の高い伸びは止まりましたが、低い失業率がサービスインフレの継続を促すため失業率が0.5ポイント以上上昇してほしいので利上げ示唆をしています。
不動産は商業や住宅で上昇が落ち着きつつあるものの、アメリカ回帰で工場が大量に増えており、住宅バブルはまだありそうだぞという若干の警戒があり崩れてはいない。
残り2回の利上げがされるようですが、投資家は1回でしょ?と懐疑的、インフレ鈍化は明らかであり、もし経済失速が見えれば利上げはできない。
ヨーロッパであればインフレとの戦いこそが全てであり、そのための経済支援が株高を助長し、インフレ下でも支援しないと国民の生活が苦しくなるので利上げは極端にはできず、かといって緊縮財政もできないので現金より資産という見立てでイギリスを除けば高値更新中です。
中国はインフレが嫌だったのもあり政策金利は下げなかった、コロナも嫌なので経済を動かせなかったので低インフレと高い失業率という点で世界で稀な地域となっている。
中国においてはどんな経済政策を出すか?金利を下げるか?のみが争点であり、ゲーム市場などは緩和に動いておりハイテク系も期待がのりつつある。
低インフレである点が金融と経済政策の自由度と規模の期待を高くしており、コロナさえ無ければ本来はポテンシャルがある市場だっただろうと思います。
ですが、米中対立で中国から米国へ工場が帰り、サプライチェーン見直しなどで新興アジアに取られており中国は内需での経済政策が重要となってくるでしょうね。
日本は特殊な地域であり、現在のインフレ率はアメリカと同等水準ですが政策金利は-0.10%、この金利とインフレ率の差が株高を肯定しており世界が利下げするまでは、先進国ではもっともインフレの資産上昇を引き起こしている国
かといって、日本が利上げしたから原油が下がることはなく、いまの状況で経済構造を変えるように促し水素や半導体、AIなど一気に産業やエネルギー構造のゲームチェンジができれば切り捨てられる人は多いけど国にとっては将来が明るく利上げする必要性は感じない。
日本のインフレは世界と時間差があった、最初は企業がインフレを丸呑みして赤字を出した。しかし、赤字は無理なので値上げをし、インフレに慣れた2022年後半にインフレが加速した点で1年以上出遅れた。
日本の足元の状況では
企業物価指数が前月比でマイナス
輸出物価指数は前月比と前年比ともに円ベースで上昇、契約通貨ベースでマイナス
輸入物価指数は前月比で円ベース上昇、契約通貨ベース下落、前年比ではともに大きなマイナス
①企業の物価において輸入物価が契約通貨ベースなら前年比で9%マイナス(下落トレンド)で、企業物価指数はこれから下落に転じる可能性が高い
②輸出物価指数の円ベースでの上昇=円安効果は無意味化し、契約通貨ベースで見る限りは下落の可能性が高く、同じ量売るだけで多く稼ぐは難しくなる
日本市場のリスクは日銀の政策変更でインフレ+低金利の資産上昇を打ち消す可能性
アメリカや中国などデカい市場で利下げに動き、インフレより高い政策金利という投資しづらい状況が砕かれると米中は上昇余地が大きく、他から流れていた資金が戻ったり、来なくなる可能性がある。
全体としてはこんな感じで見ており、日本の株高は特殊な状況が肯定した感があり、欧州は不況下の株高であり、日欧の高値追いは米中が相対弱いから起きているだけだと思っています。