第一稀元素化学工業は排ガス規制、水素、半導体と材料盛り盛りの年初来安値圏銘柄
1%下がれば年初来安値の第一稀元素化学工業は中国事業の低迷により利益は減益ですが、しっかりと時代のニーズを捉えているため増収は確保しています。
ジルコニウム化合物のシェアトップである同社は、ジルコニアの新規分野への開拓に意力的で、二次電池や燃料電池、水素、半導体事業への拡大をしている状況で、工場拡張や減価償却の増加が利益を圧迫するため24年3月期は減益していますが、内容的にはポジティブなものだろうと思います。
中国向け事業の低迷は景気の悪化でエレクトロニクス分野が弱く、ここが半導体分野になってきますが苦戦しており、中国はEVに注力しているので排ガス規制の需要が伸びづらくなっているのが中国向け事業の苦戦内容で、単純に中国デフレでヤバいでしょうという内容なので、これが上向くにはシンプルに経済が上向かないと無理そうかなと思えます。
日本企業は中国向け事業で軒並み苦戦しているので、基本的に中国関連は総じて弱いという印象なので同社もそれに漏れない感じで、理由は中国がデフレだからで片付くでしょうw
半導体銘柄が上向いているように、半導体製造プロセス研磨剤用途が増加しているので分野としては回復する予定で、エネルギー分野と事業転換を加速。
ただし、自動車排ガス規制はEV化で将来は市場が縮小される予想がされていますが、足元はハイブリッド車が伸びているため、EV化が大きく進む2030年までは事業転換しながら全体的には好調だろうと思います。
日本勢は全固体電池で現状は強みがあるため、同社はエネルギーの中で全固体電池も見据えているため、10年後にはジルコニウム化合物を活用した現在と全く違う企業になっているでしょう。
第一稀元素化学工業は中国市場の停滞、投資加速で利益は減っていますが、現在のフェーズは事業ポートフォリオの転換中であり、自動車の排ガス浄化分野が減っていく状況です。