色々ある損切りの基準
投資初心者の人はネットで損切りのルールについて、色んな意見を聞くと思います。
投資のやり方で損切りのルールは変わるので今回は投資種類別の損切りの簡単な基準を個別株を前提として書いていこうと思います。
初心者の損切り
まだ投資に慣れておらず、下落に耐えられない場合は-10%などの基準を決めて自動で損切りするのは精神的にありです。
まだ銘柄の選別が上手くなかったり、その投資先の特徴を理解していないなら半値になるのか?実は-10%でも十分に下げていたのか、あるいは80%下落するのもあり得る銘柄なのか分からないからです。
既に上がりきっている銘柄で、半年で2倍以上になっている銘柄なら下落するときに高値から半値以下になるのは毎年起きています。
SNSでは〇〇だから大丈夫!と材料的なことを書いて買い増しやホールド!を勧める意見もあったりしますが、短期急騰銘柄で上昇が継続するのは業績が実績として倍以上に伸び、まだまだ伸びる銘柄くらいです。
日本株は業績が急拡大した企業でも期待される増益幅を継続できず資産だけが増え、ROEが低下し、成長性が落ちてぱっとしない動きになる企業が多いのが事実です。
初心者なら-10%くらいで損切りして、一旦全体がどういう状況かをSNSで見て落ち着くといいでしょう。
仮にSNSで全体が酷い投稿だらけだったら、投資は失敗ではありますが時期が悪かっただけで大ミスしたわけにならないでしょう。
資産バリュー株の損切り
業績を考慮しなくても割安な企業であっても相場の悪化で下落することは当然あります。
こういった銘柄は高配当であることが多く、そうでなければ還元強化狙いで買うことができますが、本質的には下がるほどバリューレベルが上がるのでバリュー株なら下落するほど売るのでなく買う価値が上がります。
ただ、資産を吹き飛ばすほどの赤字や利益基準のバリュー株の場合は配当が下がるリスクがあるので下落が合理的なケースがあります。
その会社の資産を前提に投資するなら大赤字以外で会社の資産は基本減少しないですし、資産が不動産や有価証券であれば最近の相場やインフレで価値が上がるので企業の持つ資産の価値も上昇し、本業も黒字でPERが低いなら資産はさらに積まれるので下落はチャンスでSNSだと暴落待ちの人が多いのは下落すれば基本買いでOKだからです。
業績銘柄は期待次第な損切り
成長性を評価されている銘柄は基本的にROEが高く、PBRが高いです。
こういった銘柄は成長性が株価の担保なので今までの成長性がしっかりあり、向こう1年の業績成長率が高いと株価はどんどん上がります。
逆に言えば、成長性がなくなれば今までの期待でついていた株価は全部剥がれていき、成長性がないと評価さればPERがピークから半分以下に下落します。
こういった銘柄は増益が続いていてもPER半分で株価半値もありますし、業績悪化で利益が減れば前提のPERが崩れた上にPERが半分以下になることもあるので夢の80%下落コースも見えてきます。
新規上場企業が上場から無限に下落するのは上場時に過度な期待でPERが上がり、ちゃんと成長できないので期待が剥がれて低迷するパターンが特に多く業績悪化とのコンボで無限右肩下がり銘柄が多数あります。
成長性が前提の銘柄は月次や決算などで成長性が高いことを証明しないと安易に下落します。
決算で20%下落するのは当たり前で、コンセンサス予想の業績を軽く超えないと市場で評価されないので投資が難しく見えます。
逆に言えば、成長性が再評価されたりOK!と判断されると右肩上がりで短期で50%から100%と上がるので上昇の勢いは凄いです。
大きく上がる分だけ下落の可能性も高いのでボラティリティが高く、例えば過去2年のPERが40倍〜25倍で評価される企業は上下に30%は簡単に動く銘柄と言えます。
モメンタムは一瞬で損切り
上昇や下落が続く、どちらかにモメンタムがある銘柄は損切りしないと致命傷をくらいがちです。
上昇が継続していた銘柄はその上昇の期間が長いほど、下落は短期で一気に進みます。
モメンタムに乗る場合は上昇が続いている間だけ保有して下落が続いたら可能な限り早く利確して、次の相場を待つのが的確でしょう。
下落のモメンタムがある銘柄は反転しない限りはひたすら下落するので、最近だと東証グロース銘柄のように何があっても下落が継続していくので下落トレンドの途中で買う場合はトレンドが終わり、反転するまでは基本ずっと低迷して含み損になります。
逆張り投資が難しいのは下落トレンドの銘柄は簡単には反転しないのと、その間に上昇モメンタムの銘柄や相場が上がり続けて二重に苦しい点で、機動的にやりたいなら上昇モメンタムに何回も昇り降りして損失より利益を常に大きくするくらいですね。
相場に居続ける必要があり、トランプショックみたいに一瞬で全体が-20%になるときにモメンタムで損切りすると、回復相場にフルベットしないと取り戻しづらいのでハイブリッドな戦略が必要になるでしょう。
相場に慣れてくれば損切りは減る
最後に私の投資スタイルでの損切りを書いていきます。
まず私は上昇が続くモメンタムのついた銘柄が安値を割らない限りは保有を継続し、同時に横ばいで上に抜けそうな銘柄を増やし、上下が激しいながら株価自体は数年間で見ると上昇している銘柄への安値買いをして、結果として含み益の銘柄をポートフォリオ全体に拡大するのが今の投資スタイルです。
基本的に新規投資は打診買いで小さく買ってみて上昇からの保有拡大で含み損から含み益にして上昇を放置します。
100株買う→-15%になる→100株買う→含み損率は-7.5%になる→上昇して100株買う→300株で+5%→さらに買うという感じです。
これは100株買う→-15%→100株買う→-さらに下落で含み損率が10%と継続すると損失まで拡大するので含み損率を下げた後で下落すれば損切りで撤退することが多いです。
上昇する場合はちゃんと保有量が増えることで利益が大きくなるので、一度の勝利で複数回の敗北分を賄うため勝率20%でも資産的は増えます。
が、細かい敗退を無駄に重ねるのも問題なので同時に打診買いして良い銘柄に資金をどんどん吸収させて勝ち銘柄だけを残して全体の含み益拡大が狙いです。
相場に慣れてくるとここからの下落はチキンレースというのが分かってくるので、ここから先で売るのは底値売りだ!と逆に相場の底で買えるようになってきます。
最近の相場は下落したら買っておけばOK!な押し目買いが強いのですが、慣れだと下落で買いと反応してしまいますが、日銀ショックやトランプショックのときは下落が続いてから最後の大きな急落がきたため慣れでいうと含み損が出ることに慣れるのも重要です。
