ROE上昇前提ならAppierとSansanは大きな上昇が見込める
国内SaaS企業は比較的成長性を維持したまま株価の成長が停滞する成長性に対して割安な状態になっています。
SaaS企業は解約率の低さから、基本的に決算で出る利益でなくARRなど資料内のKPIとしての利益率が重要になってきます。
既に利益回収に入ったり、複数SaaSプロダクトで回収と成長を両立するラクスやサイボウズなどは株価が好調ですが、規模が小さかったり投資先行の企業はSaaSなのにPERばかり見られて株価が停滞しています。
AppierはAIブームに乗れているが上昇しない
AIプラットフォームで国内外でサービス展開しているAppierはAIバブル初期に盛り上がりましたが、最近は高値突破トレンドではないです。
ARRは360億円で国内だとラクス、Sansanに次ぐ上位の企業にまで急成長しました。
フリーやサイボウズよりARRは上になっており、知名度より規模だけが大きくなっているのは国外が強いのが原因でしょう。
今期は33%増収の22%増益と営利なら100%伸びていますが当期利益は昨年までの動きから落ち着いていますが成長性は未だ高いです。
日本企業にPSRを使うことはなくなりましたが、以前の10倍以上あったPSRから3倍ちょいまで低下しており売上成長より利益回収だけしたほうが株価が上がる日本の成長より利益病にならえば株価は一気に上がりそうです。
こういった急成長を続けるSaaS、特にAI企業にPERなんて使うのは馬鹿げているし、日本くらいだと思いますがAIブーム初期は赤字だったけど株価2倍になっており、その後はPERが260倍から足元は43倍まで低下しています。
Appierの場合はROEさえ取りに行けば自然とPERが低下するので、PER偏重評価なら株価を上げやすいですが国内屈指の成長率を維持するなら利益成長もしていますが、まだ売上成長が当期利益成長より高いフェーズが続くでしょう。
例えば利益回収に入ったサイボウズは25%増収の76%増益となっており、売上はAppier以下ですが成長性より利益を優先するようになって株価が上昇トレンドになり3年連続で売上より当期利益の上昇幅が大きくなり利益率が劇的に改善しています。
SaaS系が全てそうできるわけではないですが、少なくとも売上成長期に決算だけで利益率を見るのは危険でSNSではAppierの利益率の低さを問題視している人がいますが、それは成長なのか回収なのかの違いでしょう。
SaaS系は次のSansanで書きますが、営業利益率を改善するフェーズに入れば一気に利益が増えます。
Sansanは成長プロダクトの営業利益率改善で化ける
DX系のSaaSで複数プロダクトが既に大きく知名度もありますが、規模拡大を続けるSansan
売上ではラクスに若干離された感があり、利益回収ができているラクスと比べるとSansanは利益成長が継続していないので大きく評価が分かれています。
SansanとラクスのARRはクラウド事業だけなら肉薄していますが、時価総額は2400億円と4600億円で倍近い差があります。
Sansanは成長プロダクトの黒字化を実現したばかりで、中期経営計画ベースで営業利益率の上昇予定を出しています。
来期にあたる27年5月期では売上MAX693億円、営業利益率MAX23%で考えると営業利益は160億円程度の営業利益を最大で計画しており前期の28億円(営業利益率8%)からすれば飛躍的に上昇します。
営業利益率の上昇はシンプルにROE改善に繋がり、今期の営業利益率16%予想で昨年の倍以上の営業利益となるため狙い目として面白いです。
プロダクト別だと成長中のBillOne58%増、eight42%増と売上が急増しており、企業名のSansanは成長こそ17%程度ですが営業利益率が38%あり、成長中のプロダクトの利益率が改善していくフェーズなため全体の営業利益率が23%になる可能性はSansanを見るに達成できそうです。
ラクスは投資と回収が完璧に近いので、おおよそ国内最強に近いSaaSですが、Sansanは足元で成長牽引プロダクトの黒字達成から利益率改善に動き出しており利益回収で言えばサイボウズ的なインパクトが2年で十分に起きそうです。
PERはまだ恐ろしいほど高いですが、劇的な営業利益率の改善と売上成長の持続は十分に賭けれそうで、これから出てくる決算で利益回収が確認できればそこで買っても面白そうです。
来期で計画されているMAXの営業利益だと今期のラクスと同規模なので時価総額は十分に改善しそうです。
SaaS企業は最近だと忘れられた感がありますが、利益回収で上昇したサイボウズや、成長性で株価上昇のFinatext
私の投資先ならトランプ関税の少し前に買ったプラスアルファ・コンサルティングや、トランプ関税ショックで買ったHenngeなど面白い企業は結構あります。
規模感だけで言えばSansanやAppier、マネーフォワード、フリーなど国内屈指のARRで利益回収はまだな企業は複数控えており、この辺の企業は利益成長に入ったら面白いなと思います。
トップなので他を見ちゃいますが、ラクスもまだまだ伸びているので投資先としては十分面白いですね。
