米国株は割高すぎる
大統領選後はブル相場になるのが通常なので米株は上昇を続けており、先進国で圧倒的なパフォーマンスとなっている。
米国の代表指数たるS&P500はPERがコロナで業績悪化した時期を除けば極めて高い水準で、現在のPERは30倍目前になっている。
NYダウやナスダック100も同じような水準で、ラッセル2000も30倍超えで全体的に過熱している。
利益でなく資産で見ても、S&P500のPBRは5倍でITバブルのときと変わらない。
S&P500は業績を加味しても割高
コロナ前のPERが23-24倍ほどで現在より20%以上も下にあった。
予想PERなら18-20倍くらいにいたのでどの指標でも平均より20%以上高い水準になっている。
2022年に底をつけたときのPERが20倍なのでシンプルにPER主導で上昇してしまっており、Nvidiaの一本だけでは無理だし、他のビッグテックも数年前より増益幅が縮んでいるので合理性のある水準から逸脱している。
ちなみにITバブルのピークのPERが45倍だが、その前後は30倍なので現在はITバブルの過熱感のあったときと同水準ということになる。仮にAIバブル再燃でPERがさらに上がれば一致ということになるし、ここからPERが適正な22-24倍くらいまで低下するなら業績アップ+株価不動で時間をかけるか、業績アップ+株価下落でスピード調整するか。
モルガン・スタンレーはS&P500のEPSが25年と26年に12〜15%程度の上昇があると見込んでいるのですが、25年予想のEPS275ドルを25倍にして6875とすれば上昇は妥当と言えそうですが、予想PERだと20倍くらいが妥当な水準なので275×20=5500ドルとすれば現在から多少の下げ幅があります。
力強い成長を見せる米株なので利益成長がPERの高さを肯定してくれますが、予想で25倍を超えると上方修正なしなら時間経過を待つしかないので現在の株価は期待がやや強すぎる印象で、既に割高気味な大型株の上昇が停滞気味になっており物色が広がっている感じです。
一部投資家は退避しているが、マネーサプライ次第
既にウォーレン・バフェットは債券投資家となり株式を売りまくっている。
潜在的な利回りは債券を下回っており、高い利回りの米国債があるのにアメリカ人が株式に群がるのは現実的な理由がない。
米国株はコロナ前から比較してもITバブル以外で例がない割高な状態で、今回は違うだけで1年以上は持っている。
しかし、業績や利用用途などよりもビットコインや米国株はマネーサプライの影響を強く受けるので市中のリスクマネーさえ増加すれば上昇する。
暗号資産の将来は〜、使い道は〜は後付けでマネーサプライさえ増えれば暗号資産は代表的なものは上がる。
米株も同じでマネーサプライによって上がっているのでAIや業績は後付けでいい、2022年はマネーサプライが減少したので米株や暗号資産が大きく調整した。
アメリカは利上げしてきたが銀行破綻を救済したことでマネーサプライが増加し、相場が強気相場になる下地が形成されAIでリスクマネーが一気に溢れて株高になった感があり、業績もいいが資金が溢れているのが株高の要因なので震源地の米株だけが強いのは説明がつく。
このマネーサプライは曲者でビットコインと米株指数、ゴールドが強いプラスの相関なので期間で見れば全体が上がる相場が何度もあり、今まではマネーサプライの増加で全てが上がってきた。この間に価値を落とし続けたのは現金価値だ。
ちなみに日本のマネーサプライは4月に頭打ちから減少に転じており、日経平均株価の天井と概ね連動している。
現在は割高水準な資産が期待やマネーサプライの増加で上昇が継続しており、インフレさえ再燃しなければ流動性を減らす理由がそこまでないので不景気で資金循環が減るなどのリスクがあればスピード調整はありそうです。