自民党が過半数割れしただけなら問題はない、米選挙が終われば業績相場に回帰する。
選挙前に与党の過半数割れが既に株価に織り込まれていたことは明白な動きで、円安株安は明らかな選挙回避の動きで結果が悲惨でなければ上がると多くの投資家は当然のように思っていたはずです。
私は金曜日に高ROEの銘柄を中心に買い増ししており、選挙明けの本日は大幅反発してくれました。
ただ、放置していた銘柄が+0.5%と本日の相場にしては低調で、金曜日に入れ替えておけば良かったなと一部後悔しました。
与党の過半数割れくらいならヨーロッパと同じで問題ない
今回の選挙が与党過半数割れが起こるだろうと、海外でも事前に報道されていたので、海外投資家が選挙後にどう思うのか?と連立が基本のヨーロッパの国々を先に確認して相場に臨みました。
2021年に連立を組んだドイツは直近がGDP低調でも高値更新しており、2024年に左翼連立したフランスは高値を回復していませんがレンジの下値で割り込んではいないので、日本も既にレンジに突入しているので連立を組んだから株価が急落していくということは考えづらいです。
フランスの株価は選挙前に戻っただけなので、日本で言えば高市勝利?で株高からの戻しのように、中長期で見ればレンジであり、日本株も石破の変な政策がなく自民党の大筋の政策で進むならレンジ幅の中で東証の動きや政情不安で日銀が利上げできない、アメリカの選挙の行方など他に大きな影響を与える候補が多いです。
自民党は連立か協力か?少なくとも立憲主体の連立はない
今回の躍進は国民民主党で、例えば与党と維新が組んだら棚ぼた的に、相対的に国民民主党はもっと躍進する。
立憲民主党と国民民主党は政策を見る限りは協力できるわけがない、国民民主党は減税や所得拡大の現役世代メインで、立憲民主党はインフレ終了確定演出と紙の保険証の復活という老人至上主義で相対的な政策が多く、国民民主党が立民に協力するのは合わない。
維新と立民の協力は想定可能で、維新は改革だけしておきたい大阪の人々という感じで、大阪の人々と老人で合わさる可能性はあるが、それでも足りない。自民党が与党でなくなるなら自民党内で分裂するのを除けば、国民民主党と維新に負けた公明党が野党側で協力するというスーパーハイパー全部の政策が否決される1年間空白連立政権以外にない。
自民党が取り込める層として、無所属から半分+政策を盛り込む形での協力を維新か国民民主党とするか、無所属を可能な限り入れればれいわや参政党のような弱小政党を取り込むこともできそうですが現実的とは思えませんが、自民党が何らかの妥協をすれば問題はないでしょう。
選挙なんかどうでもいい石破に期待はないなのでアメリカと企業業績次第
直近の株価が冴えないのは明らかに製造業中心に日本株のEPSを上げることができる主力株の企業業績が予想より伸びなそうな点がある。
円安や価格改定で積み上げてきた企業利益はやや限界感があり、回復が限定的な汎用的な半導体は回復が遅く、規模が限定的なAI需要やデータセンター需要が好調でもニッチ部品だけを取り扱うメーカー以外はトータルで利益が増えない。
円安と業績期待で日経平均のPERは既に平均より高い状態なので、円安終了ならPERが下がる形で株安、業績が伸びないならEPSが伸びないために高いPERを維持する形の株高もない。
決算が出てきているが、PTSで上がっているのは「株主還元」「新材料」などがメインで、減益+大幅株主還元でS高みたいな株主還元が直近はテーマ化しており、当然だが十分な株主還元をしてきた企業は追加で株主還元するのも無理があるので利益が伸びない→配当増えない→売りのようになる。
株主還元は2つのパターンで行われる
株式企業であれば利益を増やすこと、永続的に存続することが必須でBPSとEPSの積み上げが重要である。資本効率やそもそもお金の回りが良いアメリカならBPSはそこまで増やさなくいい…
話は戻すが、企業の株価が上がるのは配当金が増えるからだ。
例えば急成長中の企業があるとしよう、PERは100倍だ。この企業が年2倍で利益が増えるならPERは50倍→25倍→12.5倍と本決算直後に買ったなら3年ちょいでPERが買ったときの100倍から12.5倍まで下がることになる。
こんな企業は稀だが、PERが下がれば一株利益に対して株価が割安なので自社株買いでも配当でも取得時の平均単価からすれば相当に大きい還元がされる。
もし、配当性向が30%の企業があり現在の配当利回りが3%なら、利益倍増で配当利回りは6%となる。
日本には配当性向30%の企業が多いが、東証の改革を受けて日本株が全体的に配当性向50%となれば利回り3%の銘柄は5%まで上昇することになる。
これが業績が上がらなくても株価が上がる企業が一定数ある理由で、配当性向30%未満で配当利回りが3%以上の企業で、ROEが8〜10%でもあれば日本株なら十分に買っていいだろう。
企業の株価が継続的に上がっていくのは利益が増えることで同じ配当性向でも還元が強化されていくのを享受するためであり、配当利回り5%でもEPSが全く成長しないなら、7%でも成長していく利回り3%の企業の方が圧倒的に良い。
私が高ROEの企業を買っていた理由
日本株はドル円160円をピークに全体的にはピークアウトしており、高値から遠い銘柄が数多くある。
8月の新ブラックマンデーで本決算でEPS上昇してPER低下したのに株価が上がらなくなっている市場が麻痺っている影響を受けている銘柄は結構ある。
その中でPER13、ROE30%近くで成長率が年率で17%程度はある、現在の配当利回りが2.6%の銘柄を買い増し継続している。
成長が続く限りは配当が増えるので、PERが過去平均の20倍まで上がっていく可能性を信じつつ、仮に期待外れでも利益は上げているのでROEが低下していくだけで利回りもそこまで低くなく、成長低下でも一桁後半から10%くらいは成長すると仮定しても十分に安いので問題はない。
現在の成長率の17%から10%に低下しても、PER13倍なら業界平均かすれば随分高い、ROEが高いのは利益成長率によるものなので高ROEが買われている理由ならここは問題です。
高ROE企業の問題は成長性が持続するか?であり、成長性が停滞すると資本が積み上がるので資本効率が悪化していきROEが低下していく。
例えば債務を馬鹿みたいに増やして利益を上げればROEは100%を超えるが、利益が急成長して債務が減っていけばROEも相応に低下していく。
安定的にROEが高い企業は最終的には裏切らない、最近絶好調だったアバントも株価低迷していたがROEが継続して20%を達成できたので一気に株価が2倍になった。
低PBRで高ROEを狙うなら…
PBR1倍割れでROEが10%を超える銘柄はだいたいが1年だけとなることが多い。
だが、PBR0.8倍以下でROEが10%を2期連続していれば素直に買っていいと思う。
低PBR銘柄が配当性向を引き上げる以外で配当期待するなら、ROEは8%以上は欲しい。厳格にいくなら10%。
割安株が利益急成長すると株価が短期で4-5倍以上に上がるのはROEが低いからで、割安で利益増加は配当期待が分かりやすく上がるの。ROEが高い銘柄でPBRが低いのは異常なので短期急騰するのはある意味で正しい。