一部で言われている円安=株高じゃない論
利上げ推進派が日経平均株価暴落から株価が戻っていっているのを見て、ほら!円安が株高ではないじゃないか!という一部の妄言があります。
上の画像は一緒に急落していった日経平均株価とS&P500の変化率を並べたもので、米株は既に下落分を取り戻しており、日本株は高値から未だに6-7%マイナスのところにおり、これが円安がない分の日本株の上昇損失分と言っていいでしょう。
業績の改善なしで日経平均株価が4万2000円を取り戻すには円安以外に日本株の評価の方法はなく、夏の決算でEPSが多少改善したでしょうが物足りないです。
加えて書くとすれば、8月の日経平均株価暴落は日銀や政府の円高政策からキャリートレードが一瞬で崩壊することを恐れる投機的な動きで、円高が進まなくなってから下落していないので、円高進行が日本株の上値を抑え、ないと思っていた下値を見せてくれるトリガーとなっています。
もし、円安でなくとも日本株が回復した!と言いたいのであれば、最低でも4万円回復してからでしょう。
当ブログで書いているように日経平均株価の下値が4万円以上にならない限りは、完全にバブル崩壊から立ち直ったわけでもないし、長期上昇相場の維持ではないと思っています。
インフレ持続と企業の投資継続でEPS改善していけば、今の為替レートでも2年あれば日経平均株価の下値が4万円で固まる可能性もあると思っていて、PER13倍=日経平均株価4万円まで改善していくには半導体業界と精密機器の回復を前提としつつ難しくないと思います。
そのEPS改善の中で円安であれば日経平均株価のPERが上がるのでしょう、これは円安が進行する間の話です。投資においてはそれが無限に続くような環境でないと一方向には動かないので、円安が続くと思われるなら株価は上がる可能性の方が高いですし、円高が続くと思われるなら株安的に動きやすいのでしょう。
円高株高が起きる可能性も存在します、それは世界中の中銀が金融緩和に動くときで世界中が金融緩和すると日本円は緩和できないけど他との差が縮まるので相対円高となり、金融緩和は株価のPERを押し上げるので円高株高=コロナショックからの回復相場のようになる可能性があります。
なので、次の株高と呼ばれるものが円高株高という世界中の大規模な継続的な金融緩和か、逆に円安進行が再び起きつつの円安+EPS改善のここ数年のパターンかのどちらかでしょう。
少なくとも、現在は円高株高ではないのは新ブラックマンデーから分かりますし、米株の回復に追いつかない日本株の反発で理解できるでしょう。
米株が再び下げに転じれば円高+株安…
米株の上昇に釣られて買っていると、日本株ではしっぺ返しをくらいそうです。