増資で地主が大幅下落…業績絶好調不動産株の増資は基本買い
建物を保有せず土地に投資するニッチさで存在感のある地主
現在は成長フェーズ突入中で今期は74%増収の営業利益が33%増益という予想となっており、当期利益は土地の販売時期によって変動するため前期に行ったため6%増益に留まりますが、好調な仕入れと安定収益増加で今後の経常利益も確実に上がるため買い増しができる増資かなと思っています。
地主の増資内容と下落理由
赤字ではないので増資は好調な土地仕入れのためとなっています。
5000億円の資産規模を目標に仕入れ額を増やしていますが、インフレや投資環境の良さからROE15%と高い利益率で回転しているので勝負のための増資でしょう。
過去に業績が急成長した不動産株は増収増益の間に増資はつきものだったので、今回の地主の増資も赤字企業やリスクのある海外進出のために行うタイプと異なり、好調な事業のための増資となっているので増資の希薄化分を利益で取り戻せば投資家の損失はないはずです。
問題は今回の増資で最大19.8%の希薄化が懸念されることで、株式数が増えた分だけEPSや配当利回りは低下するので既存の株主からすれば20%安の水準が配当等のために買った水準となるので現在の業績で買っていたなら20%安で買い戻すのが適正水準となります。
増資で需給悪化、それでも利益は後からついてくるだろう
今回の増資で調達した資金は2024年12月末までに開発用地仕入れのために使うようで、20%希薄化という大ボリュームな増資をやってくれましたが、半年以内に使う算段があるようなので利益貢献として来年度から、売却等で考えると数年後に大きく経常利益を押し上げる要因となるでしょう。
あとは増資の株価の決定額次第ですが、2200円なら年内に買っていた投資家は相当厳しいです。希望としては2400円くらいだとWin-Winですが高値の2800円からはだいぶ遠いです。
相当な株式数の増加があるので短期的には増加した株数が株価上昇を止めるでしょう。
株価のブレイクのためには増益が必須となっており、今期の1Qが絶好調なので増資で年内に使う資金を調達→上方修正で増収増益幅が拡大となれば増資の正当性があとから証明できます。
筆頭株主は社長なのであんまり心配していない
上場企業が増資をするのは当然の権利だと思っているので投資家として地主の増資をそこまで特別問題視していません。赤字でもないですし。
四季報記載だと地主の筆頭株主は社長で15%を保有しているので希薄化の影響を一番受けるのは社長です。
増資は株式数が増加しますが、代わりに資金調達ができて会社の資金が増えているのでそれを土地という事業資産に投資するのなら本質的に資金が減ったわけではありません。
なので売出し価格と希薄化の影響をファンダメンタルズが受けて株価調整するのは当然で、現在だけを見ているなら株価の急落は必然でしょう。しかし、将来の利益のための増資なので将来を見るなら今期や来期の利益で投資する分を資金調達して行っているのは企業成長としては近道となるので業績さえ好調に成長すれば問題ないです。
株価の決定は7月29日〜8月1日です。
このときの株価の0.9倍から1倍が公募の新株発行で売られる株価となります。
直近高値の2800円が適正株価と仮定したら、20%安の2240円の0.9倍で2000円くらいが最低株価ということになるでしょう。
ただ、資金調達をしたので財務悪化したわけでなく、成長のための資金調達なので利益成長の期待が乗っかれば2500円くらいで留まるのかな?と思えます。
今期に上方修正があれば資金調達関係ない事業の好調さからの上振れとなるので、資金調達後の期待はもっと上がることになるので価格や需給悪化も短期的な株価の形成に重要ですが、とにかく業績が重要です。