CPIが0.1%上振れただけだが…
米国のCPIが日本時間の水曜夜に発表されて米国市場は崩れ、日本市場も先物は急落。
現在は木曜日の8時ですが気配値だと結構下落しています。
株式市場が望んだ世界
今まで楽観が支配した相場で、まだ楽観に近い状態だと思います。
相場が望むのはインフレの沈静化とソフトランディング、利下げの実行です。
本来は6月に利下げ、大統領選までに失業率の悪化はなくインフレは沈静化、次期大統領が経済政策を打ち出すことで2025年からの新相場という数年の問題の終了で、新たな時代の直前という評価だったはずです。
そのため、CPIが0.1%上振れすると、次も0.1%上になると0.2%上がるので上昇トレンドと捉えられるため、利下げ期待が消滅するという点で相場に重しです。
もし、今年3回分の利下げを織り込んだPERが市場評価されているなら、利下げが1回なくなる分の下落、来年の利下げが減るという下落など数年の期待で動いていた全体は弱いです。
問題なのはCPIの上振れ&景気後退の兆しです。
CPIは世界情勢の影響を受けるためウクライナ情勢、中東情勢が沈静化すれば本来はもっと余裕なはずで、株式市場は基本的に上の世界情勢を無視して進めています。
なので、インフレの認識フェーズは短気急落で反応するので世界情勢→CPIは分かっていても相場は反映されて焦りだす。
インフレ再燃はまだまだ焦る段階ではなく、スタグフレーション懸念は米国にはないので世界株全体で言えば問題とは思えない。
米国インフレの日本動向
CPI上振れは利上げ期待で株下げドル上げです。
株下げで日銀は動かなくなり、ドル上げで日銀は動く理由が一定あるため、日本市場だと利上げ期待が増えて、日銀の買い支えがない状態なので回復や下落を止める主体が想定しづらいです。
日本株を買う海外投資家は世界株が好調なことを前提としており、日本株だけを買うファンドは基本的に小規模で期待される海外投資家による兆円単位での買いは日本市場のみではしないです。
ドル円150円くらいまでは景気が強いということで日本株は上昇してきましたが、利上げした日本市場にとってはドル円の上昇は利上げ期待上昇となり、利上げで何度も短気急落してきた日本株はこれ以上の円安は反応が難しいと思います。
円高メリットを買うのなら円強気のストーリーを構築してからでしょう、米国のCPIが鈍化し、日本の実質賃金がプラスで推移して賃上げが続くと…
円買いが強気になるには米国利下げ期待の上昇や協調介入以外だと日銀の利上げが急がれるケース以外はないと思います。
日銀は夏以降に利上げすると思われてきましたが、6月判断で夏利上げもあり得るフェーズになったのかな?と思います。
円安と原油高、政府補助の減少で日本のCPIは上振れ確定です、これを利上げ判断とするなら日本の利上げ回数は円高方面に戻らない限りは2回→3回もありえ、米国利下げなしの日本利上げ増は相場にとっては最悪に近いケースです。