賃金高時代に人を積極採用するモデルは厳しいことを突きつけるジャパニアス
AI、IoT、クラウドなどのエンジニアリング人材の育成や派遣などのジャパニアス
1Qの進捗が減益で進捗率が10%以上悪いことから売られています。
PTSの株価だと配当利回りが3.5%で、S安ならそれ以上に配当利回りが上がるので、ITの先端エンジニアリングに強みがある企業がこの利回りなら業績が短期的に低迷してもお得だと思えます。
ただ、配当性向50%にしているので下方修正なら利回りが低下するため、今回の減益決算の下落をチャンスと配当期待で買うのは危険で、IT人材の育成に定評のある企業が何社も積極採用から崩壊していったのでジャパニアスも崩壊に賭ける方が自然で、賃金高時代にそれ以上に価格転嫁するのは日本の環境では難しそうです。
減益理由は受注増に対応するためにエンジニアを急増させている先行投資ですが、販管費が前年比で+38%と今期予想の19%増収の24%増益の予想にすると増えすぎな感があります。
昨年は1Qで販管費が+22%で売上が20%増、2Qで販管費16.8%で売上20%増と2Qで販管費を売上増加が上回る。
今期は現時点で1Qが販管費+38%に対して売上が+16.5%と前年より相当低い。
ジャパニアスは1Qの減益理由となった採用と同じくらいの人数を期中でさらに採用するため、採用に伴う販管費が継続的に増えるなら今期の見通しは厳しそうです。
採用は前期がメインのようなので販管費増は2Qまでで、3Qから回収フェーズで前年より売上が大きく増加して販管費はそこまで増加しないという流れに持っていかないといけない。
そこで次の問題となるのは稼働率です。
今までは1Qがもっとも高い稼働率で前々年97%→前年96%とやや低下していましたが、今期は94%と急低下しています。
2Q以降は稼働率が下がる傾向にあるので2Qも同様に推移するなら利益率低下の可能性があり、決算書からは2Qを含めた前期は人材投資を進めるようなので減益確定かな?と見ています。
分析した感想としては稼働率が高いはずの1Qが急悪化し、2Q以降は1Qで増やした人で稼働率が落ちることが恒例化しているのに、2Qもさらに人員を例年以上に増加させるなら需要が相当に強く、人材の戦力化が1ヶ月とか短期でないと採用と稼働が合うと思えないです。
売上増は前のQからずれ込むとして、2Qで大幅増収が確認できないと売上未達は来期以降にも響く最悪ケースとなります。
人材の増加に関しても伸びているクラウドより、低成長なインフラの方が増えており、伸びている事業で人材を獲得できていないのかな?と思う疑問もあり、
人材獲得の激化で採用コストが従来より下がる広告や社員紹介などを増やすと書かれていますが、それにしては販管費が増えすぎで、1Q時点で採用コストをどこまでこなしているか?ここがもっとも重要に思います。
採用急増で稼働率低下、単価も下落、販管費急増。
上の内容だけを見れば企業が過大な人材投資をしすぎた感があり売りで反応するのは自然な内容でした。
2Qで販管費と売上増のバランス、稼働率が改善するor悪化しない、単価が回復するの3つがあれば買えそうです。
上期を投資と割り切って悪い決算を見過ごして、3Qあたりで下方修正されたらキツい銘柄と言えそうで、人材や事業の需要の強さをIRで書いてきた企業は人材の急増で折れることが往々にしてあるため、配当性向の高さが買い支えの理由とできそうですが、中期経営計画にM&A含めて売上200億円とあるので高い配当性向でM&A推進なら人材戦略以外にも買収の戦略まで問われるので中期経営計画を期待した買いがあるなら、今期次第ではマイナスインパクトもありそうです。
一応はAI銘柄に含まれるので期待していますが、1Qがキツい銘柄は2Qまでの間に徹底的に売られるので明日の相場で下落から反転できるか?無理ならしばらくは地を這うでしょう。
PERや配当利回り的には割安なのですが、1Q時点だけ見ると下方修正してきた歴戦の同業と同じ匂いがあるので、今期から下期偏重に完全シフトしたなら説明を強化するべき。