リートの買い時を考えよう
地銀のセリクラが終わった説があり、既に底値圏説のあるJリート
日経平均株価が上がる中で歴史的な安値圏にあり、利回りの差はだいぶ高まっている。
日経平均株価とリートの差が開く現象は過去にあり、過去に利上げがあったときは利上げ後はリートが上昇に転じており、日経平均株価と開いた差を埋めるのは利上げ後や日経平均が軟調になったタイミングだと思いたいが、どさっと買うタイミングを探っている。
株が下落トレンドになったとして、リートの方は連れ安するとしても既に安値圏で割安が激安になるかが個人的な買い時の判断としたい。正直、いま大量に買っても判断としては間違っていないと思う。5%以上の利回りがゴロゴロあり、不動産の利回りが下がる理由がインフレ継続の現状ではあり得ない、賃料はインフレなら上がるはずだ。
日経平均株価とJリート ETFの推移を2023年から現在まで並べたチャート
リートは23年12月に急落して回復する現象が発生しており、今年に入ってからは株高に逆行するように下落している。
5年間の変化率にすると致命的なほどの差が開いており、高値が上がっている日経平均株価に比べて安値が切り下がる下落トレンドの形になっている。
現在のJリートの水準はコロナショック時よりは良いという程度だろう。
方向感としては株価と同じ方向に動くこともありつつ、自動的に上昇したり下落したりするので特殊需給の影響を受けていると思われる。
Jリートの買い手である地銀の動向から、債券の含み損とセットでリート売りしているのでは?や、最近だと地銀にリートを損切りさせようと機関が空売りでリートを売らせたなどの思惑を探る様々な説が出ています。とにかく下がっていることへの後付説明を探しているみたいで、答えが分かれば買いやすいですけどね。
少なくとも日経平均株価が急落するような局面ではセットで持っている投資家の売りの可能性もあり、地銀や機関が投げる可能性もあるので一緒に売られる展開は考えられます。
現在のリートに割安で十分以上な利回りの銘柄がいくつかあるので、高配当の個別株をワンチャン狙うよりは、実物不動産を運用しているリートから確実に利回りを貰う方が楽かなと思います。リートの利回りが魅力で買いが入っても利回り5%なら4%前半まで買われても高配当の部類なので上昇すれば利回り的に買いが続くのかなと思います。
金融危機や大災害になればリートはぶん投げられるでしょうが、それは他の資産タイプも同じで、ゴールドや通貨みたいなもっと安全資産に移しておくしか対処法がないので、消去法的にリートは魅力的です。
次に日経平均株価が調整したり急落するときにリートも合わせて一段と下落するなら、そこを買い時としたい。自律反発もあり得る水準なので株安=???の反応を見て判断したい。
最後にリートの社会意義と日米変化の致命的な差
リートへの反論として現物不動産はレバレッジが効かせられるから効率がいいという話があります。これは有象無象が小さい不動産をせこせこ動かす分にはいいですが、マクロでは間違っています。
日本ではリートにまともな資金や新興が入ってこず、業界も成長&発展しなかったおかげで新型REITが米国と比べて圧倒的に弱く、例えばデータセンターをメインとするREITがないように、多くの投資家の資本を活かして社会に役立つインフラ施設を建てて分配しよう!と資金が上手く活かされていない状況です。
個人がレバレッジを効かせて、物流施設やデータセンターを運用できるでしょうか?大型ビルは?無理でしょう。
USリートは日本の10倍程度の規模があり、1割がデータセンターなのでデータセンターだけでJリートに匹敵する規模です。
10年前から米国では旧型のオフィスなどから新型のデータセンターなどインフラへのゲームチェンジが起きており、日本と異なり自社運営や不動産開発もできる自由度の高さで利回りや種類の多さと日本と圧倒的な差があります。
米国でオフィスの空室率増加など商業不動産がリスクに直面で、Jリートは全体の4割がオフィスなのでこれが急落の理由となったかもしれません。
USリートはオフィスが全体の7%程度で40%の日本とだいぶ差があり、USリートの成長分野がインフラ、産業、データセンターでJリートと構成がだいぶ変化しており、日本でリートが成長しなかったことを明確に裏付けており、ここ10年の日米のリートの進化で差が開いてしまった。