日経平均株価が4万円をぶち抜いていくには
日経平均株価は寄り底か寄り天か、米半導体やAI株が銘柄ごとに明暗を分ける展開となっており、一喜一憂から失望と動きが良くないです。
米国株に関してはVIXがかなり低下したので短期的に急落イベントが終わった感があり、CPIや雇用統計が終わり、利下げが遠のくことはなさそうだと一応の安心を得ています。
日本株が最高値をぶち抜いていくには米国株が好調であることは絶対条件なので、それを祈りながら、日経平均株価が3万円をぶち抜いたストーリーを振り返りましょう。
日経平均株価の5年チャートに白色の横線が3万円ラインを水平に引いています。
最初に3万円を超えたのは2021年2月でコロナワクチンと大統領選終了のお祝い相場で全体上昇が加速していたときです。
ミーム株バブルやクレディ・スイスのトラブルなど相場にやや不安があった中で3万円を一度超えました。
このときの日経平均株価PERは22.39倍で利益はコロナの落ち込みからの回復途上で、業績的には割高でした。
その後、21年中と22年は3万円を超えれないレンジ相場となっており、マザーズが確実に死んでいくという中小型株の絶望はこの中で育っていきました。
22年に25100円まで下落しており、高値を超えれず3万→2万5000円と15%超の調整もしています。
最後に2万5000円台をつけたのは23年1月で、2021年の高値で日経平均株価を買っていた人は2年近く含み損状態で保有していたことになります。
しかし、23年は東証のPBR1倍割れ企業は企業じゃない政策で多くの企業が低PBRへの対策として株主還元で自己資本を減らす企業側からのバラマキが始まり、低PBRが全体の底を上げる形で、主役となる銀行株は配当利回り5%あったものが2%台まで低下する高配当株が新規だと随分減少する現象を生み出しました。もはや日本株は割安ではないといったところでしょう。
21年2月に3万円
23年5月19日に3万円回復
22倍あったPERは2年間の業績成長で14倍まで低下しており、同じ3万円でも買える3万円になったことで相場はぶち抜いて行きます!
5月19日の3万円回復から1ヶ月には3万3000円に到達しており、PERは15.3倍と歴史水準だと若干高い程度にまで上昇。
その後、2024年1月始めまで高値は抜きませんが、PERは23年6月→24年1月で15.02倍と15.3倍よりは少し業績が上昇しており低下。
3万3000円から24年3月には4万円に到達し、PERは16.8倍となりました。
PERが導く答え
2021年のPER22倍はコロナでの業績悪化から回復している段階で、業績期待で3万円まで上がった感じです。
そこから同じ3万円という水準で21年2月と23年5月のぶち抜く前段階でPERが14倍と、過去の日経平均株価から見ても通常か若干割安な水準にあり、3万円を超えていくのは当然という感じでした。円安や株主還元など相場を支える環境があったので3万円という節目を超えていく後押しもありました。
今の相場では既に4万円の壁に弾かれており、4万200円くらいの水準がどうにも高い壁として立ちはだかります。
21年から23年へのケースで考えるとPERが低下して同じ株価という、業績主導のセットアップが必要かなと思っていまして、今の16.8倍のPERは過去から見るとほぼ最高値圏なので、株価と業績評価がともに限界値にきているので、次の企業本決算で業績がさらに拡大するのか?
大企業のほとんどが自社株買いをしながら、業績が一定上がっていくならPER15倍程度でも十分に4万円を超えて、17倍に迫りながら日経平均株価4万5000円!というストーリーも簡単だと思います。
ただ、いまの業績水準で4万円を超えていくのは21年の業績期待ケースと同様で、相場にたいした理由がなくとも15%超下げる展開になりかねないので、いま下落するとPER的に押し留まるポイントが近くにない点はリスクです。
16.8倍の高値圏のPERからすると日経平均が20%下げてもPER的に底ではない。
コロナ前、コロナ後から最近の半導体バブル直前までの水準を見ていても、日経平均株価は14倍台のPERが落ち着く水準らしく、13倍は下げすぎで、15倍以上は急落に弱い水準となり今の水準はまだ安心感がないです。
とにかく業績、半導体関連が増益、自動車も増益、金融も増益、ユニクロとソフトバンクGも増益で上昇が継続できる水準。
ユニクロとソフトバンクGと東京エレクトロンが15%以上増益するなら余裕。