日経平均株価を最近の騰落レシオで考える
日経平均株価の状況を示すバロメーターはいくもあり、
見ておくと便利なものでは騰落レシオ、空売り比率、PERなど方向感や過熱感を教えてくれる指標が存在します。
今回は日経平均株価と騰落レシオを過去から振り返って現在地を見てみます。
騰落レシオとは?
値上がり銘柄を値下がり銘柄で割った指標
100銘柄上昇で80銘柄下落なら100÷80×100=125で上昇銘柄数の方が多いという意味で過熱感や全体が強いという証拠になります。
日経平均株価の騰落レシオ
2月15日の日経平均株価騰落レシオは93となっており、値上がりと値下がりが同数で100なので過熱感という意味では逆にないほうで、一部の銘柄によって日経平均株価が上がっている証拠となる。
過去に指数が調整局面になって売りが続くと騰落レシオは80を下回ることがありますが、騰落レシオが93というのは相場が回復しだした初期や、あるいは一旦上昇一服から再び日経平均株価が上昇するときにつけるような水準で過去3年くらいなら騰落レシオ93は買ったら儲かる可能性の方が高い状況です。
日経平均株価騰落レシオでの買い判断としては、歴史的下落では50を下回るのでそこまでいけば異常事態で買いでいいと思いますが、基本的には80を割るor80台から回復するのどちらかで買えば相場の回復から持ち株が上がる可能性が高いです。
逆に過熱感は?と言うと、120を超えて騰落レシオが低下しだすと調整局面に入る可能性が高いです、SBI証券だ毎日銘柄の上昇と下落比率が簡単に見れるので、指数横ばいだけど下落銘柄が多いな?という状況が続くとそのまま指数は転げ落ちていくことが多いです。
2023年もあった日経平均株価上昇と騰落レシオ低下
騰落レシオは循環的なので指数の上下に関わらず銘柄数の上下で動くので方向感が見れます。
2023年は4月から6月に向けて27000円→33000円まで急上昇しました。
この間に騰落レシオがどう推移したかと言うと以下のような推移です。
27000円→29800円の上昇局面で148まで上昇、
29800円→33500円の最高値の間に148から115まで低下して多くの銘柄が上昇継続せず。
32500円という高値から少し下落したところで90まで低下し指数はレンジに入り、騰落レシオは90くらいで何回か下げ止まる中で31500円まで下落はするが、その後に33000円回復と騰落レシオの130到達で再び高値から調整局面入り。
指数の上昇と下落、レンジを騰落レシオも含めて書いていきました。
銘柄の上昇には決算や米国の同業やマクロなども含むので一概に言えませんが、今回の上昇相場と共通している点として指数の上昇に反して騰落レシオが低下する局面はあった点です。
相場上昇に反して騰落レシオが悪化するのは日経平均株価のショートと個別株のロングなどをしている投資家が存在として考えられ、日経平均株価が上がることで損失が拡大し持ち株の強制売りがある。彼らは短期勢なので一部の銘柄にレバをかけるので急落から騰落レシオ上で悪化となる下落を起こしやすい。
もうひとつは上昇するモメンタム発生銘柄に投資家が殺到して一部だけ上昇、他は買われずに違う世界の出来事として下落する、あるいは上昇銘柄との相対で売られるなど。強い銘柄が強いの論理が生まれる。
この2点で一部に集中すると一部銘柄の上昇と日経平均株価の踏み上げ、一部投資家の悲鳴が重なって騰落レシオが悪化していくと考えられます。
騰落レシオが悪い状況では一部の銘柄が光ってくるので、しばらくは一部のテーマ株の主導が続くと予想できます。
最近まで騰落レシオが130あったので、日経平均株価は高いですが他の銘柄に関しては調整局面に入った可能性も考えられ、上昇銘柄が少ないままでいく方向性が考えられます。
ただ、今は決算で多くの銘柄がとてつもない動きをした直後なので、1週間くらいで5日間の騰落レシオは改善すると思います。
それでも直近まで騰落レシオが130あったので、次の調整局面で70くらいまで低下する余地はあり、それを前提とすると最近下落している銘柄を安いからと反発を狙って投資するといっそう売られる展開も考えられます。
騰落レシオ上昇なしで日経平均株価の上昇継続なら短期的に全体の調整局面入りの可能性が高まるので、過熱感がない中で危機感がある今はヒリヒリする相場といっていいでしょう。