日経平均株価はバブルではないけど偏っている
Arm株が上がればソフトバンクGが上がる、Nvidiaが上がれば日本の半導体株は上がる。
ソフトバンクGと東京エレクトロンだけで日経平均株価を500円以上押し上げるパワーがあるので日経平均株価は上がるという状態で、最近は東京エレクトロン、ファーストリテイリング、ソフトバンクGだけで相当株価が上がっている。
EPSという点ではトヨタは最高益でEPSを押し上げていますし、東京エレクトロンは増益期待、ソフトバンクGは赤字から黒字化してEPS期待が持てるので好調な企業と復活が見えてきた半導体やソフトバンクGの投資事業という点でも株価上昇の説明はできそうです。
日経平均株価はバブルではない?
日経平均株価上昇=日本経済復活ではなく、半導体と投資とファストファッションという世界で戦えるごく一部の企業だけで盛り上がる。
バブル崩壊前の日経最高値時には銀行株ばかりで、ハイテク株かな?という評価のNTTなど国内経済の影響が強かったが、いま上位を占める企業はほぼ海外で稼いでいるので日本以外の要素が株価に影響を与えてくる。
割高度を示すPER推移こそ日経平均株価の長期上昇トレンドを示していて、
大きめに取るとPERは13倍から16倍の間で安定していて、海外での利益成長によって株価が上がってきている。
コロナ前の2020年2月のPERは13倍後半から14倍前半で推移し、
業績悪化でも期待で株価回復した2021年2月は25倍までPERが拡大した。
業績相場に移った2022年2月には13倍から12倍までPERが低下し、
2023年2月も同様に12倍〜13倍と安定、
2024年の2月現在は16倍まで上がってきた。
1年ごとのPER推移を書いてきましたが、この間に日経平均株価は2万3000円〜3万8000円目前まで上昇した。
本日到達した3万8000円が高いように見えるが、過去の推移で見れば割高寄りな水準なだけで過去平均を大幅に上回った状態ではない。ここから10%の上昇くらいが短期で起こってもバブルとは思えない。
日経平均株価とグロース市場の乖離がとてつもないことになってきた
赤色=日経平均株価
黄色=東証グロース250
日本の大型株と中小型株の比較になりますが、過去でも例が少ない乖離が起きている。
過去に遡るとここまで乖離したのはライブドアショック時くらいのもので、比較的連動した動きをしてきた。
日本の中小型グロースは多くが捨て置かれており、金利高で本質的に影響を受けている米国の中小型株よりも酷い状態。
米国中小型株が上がらないのはEPS拡大がない点で理解できるが、東証グロースはPERをかなり改善させてきているし、PBRもかなり下がってきた。
例えば同業で業績の成長性が上でもプライムにある方が高いPERで評価されるというグロース市場にいるだけで評価されない状況の銘柄も複数あるので、単純な指数の差以上の影響を与えている。
日経平均株価を押し上げる銘柄が明確なら、東証グロースはどうだ?となるわけですが、
最上位がフリーとカバーの1600億円で最近は下落傾向で、時価総額が1000億円以上あるのは7銘柄しかなく、指数を押し上げるとするとこの7銘柄がグロース7として期待できるだろうw
ある程度まで実績を上げてきた企業が簡単にプライム昇格するので上昇しながら残る銘柄が少ないため、日本の市場区分は米国のようにラッセル1000とラッセル2000みたいな上位下位が時価総額で簡単に分かる指数ではないので、日本株の場合はラッセル2000がメインで、1000の方が中小型株みたいな感じになっていて何でもかんでもプライム市場に入っている状態となっている。
日本の中小型グロースは東証の再編で被害をくらった感があり、バリューアップすれば卒業、指数自体に継続的な資金はなかなか来ないで卒業生と閑古鳥という点は偏りを感じる指数。
本日の結論ですがバブルは中小型株までも大上昇したとき。