相場が恐れることを先読みしておこう
つい最近まで相場が恐れていたものは米国長期金利一択だった。
高止まりさえしていれば崩壊まではいかなかったし、下がれば相場が回復し、上がれば相場が下がっていた。
日本は米金利上昇で債券安と円安になるので要因としては大きかった。
しかし、雇用統計の8回の下方修正と直近雇用統計の悪さが金利を押し下げたので、恐れられていた金利が恐くなくなり人々が株式に帰ってきた。
まだまだヘッジファンドの多くの資金は株式ロングに入っていなかったので最近の急上昇は買い戻し、ショートカバーが本質だろう。
MMFやリバースレポなどが減少して株高なら本当の意味で資金が帰ってきたことになる。
次に相場が恐れるであろうことをある程度想定しておけば、その状態が悪化したら一目散に逃げることができると仮定できる。
前提として、金利恐怖トレードが終焉しそうなので米株指数は過去最高値を更新することができるかもしれない。これは私の想定ストーリーから変わっていなくて少し前にも大規模なリセッション前でも通常米株は最高値更新していることを歴史から書いていた。
その後のことを考えると、まずはインフレ率に触れないといけないが中東情勢さえなければ原油安でCPIは欧米でもっと低下しただろうと思っている。突発的イベントは前提にできない。中東情勢は全然落ち着いていないし、イスラエルは本気なので周辺の中東諸国がやる気を出せば進展する。ガザ地区が滅ぼされるなら周辺中東諸国が危機感を募らせるので国が使える正式でない組織は動いていくだろう。
インフレは中東リスクを除けば低下しているが、原油が上がれば結局はほぼ全ての産業に影響するのでインフレ要因としてはウェイトが大きい。
なので、次に相場が恐れることはリセッションだろうと思う。
いまはバッドニュースisグッドニュースだが、リセッションを恐れ出せばバッドニュースisバッドニュースとなる。
現在の高い金利がリセッションが見えたときの安全域となるが、もし11月からリセッションが始まっていたと将来に逆算して分かったとすれば今月利下げしていないと遅れたことになる。
FRBはインフレに対して遅れたので、リセッションに対して遅れることは想定できる。
なので、リセッションリスクとして大きな雇用の方を重視しよう。
まず、直近の雇用統計が悪化し失業率が3.4%→3.9%までボトムから上昇した。
米国の失業率は4%がスタンダードで4.5%以上から問題化するが、直近平均の下値から0.5%上がると問題とされるので既にややリスク的。
加速しだした失業率の上昇は簡単に抑えられない。
就業者の増加では政府関連や掛け持ち、パートタイムが増加しフルタイムが減少していた。
私の仮説だが、米国でも失業リスクが増加しており人手不足だが自然失業の観点から考えると今失業したら望む待遇や職種で再就職できないと考えて今のうちに掛け持ちしたり、失業やレイオフに備えているのだろうと思っている。
コロナのときは失業しても国からありったけの資金が提供されたので失業リッチだったが、今失業すれば必ず再就職しなければならず債務は金利負担が大きすぎるため自然失業率以下で比較的安定している。
個人的には米失業率が4.1%を超えれば自然失業率以上となり、そこで上昇が止まらなければ人々のマインドは急激に悪化すると思っている。
人手不足が状態悪化の隠れ蓑に使われているが、その仕事はしたくないという選択的な失業はどの国もあるわけで、それを考慮した上で米国自然失業率が4%くらいなので3.9%の失業率で人手不足ならそうなのだろう。
企業業績はリセッションの直前までは比較的良いので、震源地や問題とされるセクターでは予兆的に先行して悪化するが、現在相場を動かしているのはビッグテックなどで問題外となっている。これはインデックス投資が世界的に流行った弊害だろう。
明らかにヤバい状態でも適当に全部買っておけばOKで許されてきたし、今後も許される。
インデックス投資が価格発見機能と危機の発見と対処を大幅に損なわせている。
一部の企業で気になるのがレイオフで主力分野以外を切り捨てて、当然のように増収幅縮小だが大きな増益となり、そんな株価の上げ方ではリセッションで主力事業が叩かれると死にそうな企業が散見されるw
その一部として、企業の事業として投資先がないのでAI事業に投資を振り向ける企業が無駄に増えている。
企業が成長低下でコスト抑制と成長分野の見直し→新規分野や金余りで唯一の希望としてAI事業に投資というのは自然に行われており過大評価は付き纏ってくる。
投資家が金が余っているからと無理やり流行りの投資すれば痛い目を見るように、AI自体がダメではなくて、余った事業予算を無理やりAIに投入するのは流れとしては良くないだろう。少し前に投資先として流行ったメタバース事業はほとんど失敗に終わったw
とりあえず、次に相場が恐れるビッグテーマはリセッションだろう。
そうでないと大きな利下げからの次の相場は開かれないと思っているw
現在はまだ金利恐れトレードだと思う。金利低下でも株式が上がらなくなれば金利恐怖トレードから離れだしている証拠だだろうが、現在は金利低下が株高になっておりまだまだ。
金利トレードが続くので長期金利の反転には警戒が必要で、年末商戦で企業は景気刺激するだろう、来年の選挙に向けて米政府は失業率が上がることを嫌がるだろう(特にインフレ抑制ができているなら)、中東情勢からすぐさまなインフレ低下要因がない。
米Amazon、年末商戦で25万人雇用 平均時給3000円に←これがパートタイム増加要因じゃないか?と思うw