もし来年が利下げで株高なら歪な歴史になる
今年のS&P500は年初来で20%上がっており問題がなければ年間2桁プラスは余裕だろう。
日経平均株価は30%上がっておりこちらも同様。
この上昇は2022年の世界株が2桁下落した反発のような要素がある。
歴史として書いておくと
2022年は利上げが始まった年で大幅利上げが相次いだ。
2023年は利上げが継続し、利上げのピークになるだろう年です。
過去のリセッションや株価暴落の歴史を書いておくと、
利上げと株高のセットは過去もあり、金利のピークになると株価も最高値をつけたり更新する。金利ピーク後にリセッションに入り株価は酷いと50%下がる。
現在の株式市場や中央銀行は学んでいるので50%の下落はないと思うが…
過去の歴史に合わせて考えると今年が金利のピークの年という点と株高自体は過去もあったので普通の年。
問題は来年が利下げで株高だと稀なケースになる点です。
利上げから金利ピークとなると数ヶ月から1年以内に景気後退となり、利下げと株価の急落がセットとなり景気の底打ちまで株価は一緒に沈んでいく。
例外として2018年は金利ピークが問題になった年だが、2019年はトランプ政権の雇用拡大と金利低下圧力の継続でリセッションにはならずに株高の年で終えた。
金利ピークの2018年は-4.4%だったが、一転して2019年は+31.5%となった。
2020年はリセッションになったので、歴史通り的展開だと言えるが、前例のない金融緩和と財政出動で後にインフレに発展したが株価急落は数ヶ月程度で回復までいけた。
2020年は年間で+18.4%で年初から投げ売りしなければプラスで終えれた。
来年のケースとしてはリセッションの可能性がありつつ、利下げが起きるというケースとして2020年的に考えたい。しかし、インフレを記憶している各国はあれほどの金融緩和と財政出動はしないと思うので半分以下に考えたい。
来年が2020年的だなと思うのは、来年は大統領選挙もあるので民主党か共和党か?の決定で年後半に株価が大きく動くことが問題でもある。世界的トレンドは右翼への転換だがまだ分からない。
2020年は大統領選挙後にコロナワクチンが発表され、年末はワクチンで株高となったので年間のパフォーマンスが良かったことを留意したい。大規模金融緩和+財政出動+コロナを解決するワクチンの登場。これら全部で+18%だ。
再現するなら、2024年は軽度リセッション(利下げ回数増)だが、年後半に景気回復へのトレンド=例えば半導体産業の全面回復など。その上で選挙はマイナスにいかないことを祈れば年間でプラスのパフォーマンスが期待できる。
アメリカのビッグテックはAIへ巨大投資したのでAI市場が急成長しないとEPS向上が期待できないので、AIは引き続き強烈なテーマ。
個人的に問題だと思うのは、ここまで利上げして経済が強い点です。
2018年の利上げは経済が強くも弱くもなく、インフレでもなかったので今回とは別ケースで利上げで経済を引き締める必要がある今回とは違う。
今回はトレンドとしてインフレ退治と失業率の一定の上昇をFRBが達成条件としているので、その政策のミスでリセッションになるなら利下げで株高よりも、過去にあった利下げと株安のセットが想定しやすい。
利下げと株安なら高パフォーマンスは債券市場にあり、利下げで上がる債券を売って、一緒に下落した株式を買うのが有利な立ち回りになる。
過去から振り返って考えると来年は利下げという期待がある反面、歴史的に利上げピーク後は高い確率でリセッションに入っていて、リセッションになると利下げと株安がセットになるので年間の株式パフォーマンスは悪化しやすい。
大統領選後に経済政策が動くと考えると2025年1月からの方が政策による株高は期待ができ、選挙後の年のパフォーマンスは2013年+32%、2017年+21.8%、2021年28.7%と平均して高いパフォーマンスとなっている。
来年は総合的に見ると不確実性が多いので投資にとっては不利な年になりそうです。