年末に向けた相場観のアップデート
PPIやCPIと悪化という最新情報が利上げ=株高の思惑を進めている。
利下げの株高を先に織り込んで何度も急落を繰り返してきた相場なので、例えば利下げが2024年に1回増えた程度ではさらなる株高の理由にならないかもしれない。
株高には利下げによるPERの上昇かEPS上昇によるPER低下のどちらかの水準訂正が必要となる。
2024年のソフトランディング+利下げ相場を前提とするなら半導体筆頭にグロース銘柄は圧倒的に良い。バリューは成長性の低さが露呈するのでマクロ景気が落ち着くなら業績はピークを一度迎えた可能性がある。
PPIもCPIも悪いのはソフトランディングではない
米CPI発表の日に予想以下でグロースが上がると書いていたがその通りになった。
シンプルにCPIは低下トレンドを辿っており、趨勢的な流れで推移していて予想というよりかは水が下に流れるというシンプルな感じでCPIが落ち着いているだけに過ぎない。
投資家が色々な相関や指標を出してきてCPIをああだこうだ言うが、シンプルな流れとしては利上げという最大ファクターの機能で遅効してインフレ率はどうせ下がっていく、イスラエル情勢などの動きはごく短期のノイズに過ぎない。
PPIとCPIが悪化するなら、さらにCPIが下がって、その後にPPIが下がってを繰り返して原油などのインフレ要因の再熱がない限りはインフレ自体は問題ない。
次の問題はリセッション懸念で雇用は就業者の再就職や転職活動の長期化が確認でき望む職が見つかりづらい状況で辞めたくない可能性がある。雇用も正規よりパートタイマーが今は主。
直近の経済動向はやや悪化しており、予想を超えることがなくなってきた。この流れが加速してマイナス方向が強くなるなら利下げの可能性は増えるけど景気が悪いという望ましくない状況になる。
米国は利下げ余地があるから?
米国は利上げを繰り返してきたので利下げ余地があるという声がある。
なら、PPIとCPIから利下げをしてもいいタイミングだと思う。25bpずつの利下げでゆっくりと経済を殺さない方が重要だ。
Fedは出遅れて50bpあるいは75bpの利下げに追い込まれるかもしれない。大きな利下げに転換せざるを得ない状況ならナスダック買いだーーー!!!もできない。
欧州の経済動向はやや悲観的で、日本はブーストが遂になくなった円安燃料は来年は通用しない、米国は債務増と賃上げストのラッシュとバイデン〇〇政策でインフレを抑える気もないがおかげで経済が強い。
この中なら米国は経済に問題が少ない上に利下げができるから投資対象としては最高で、日本人からすれば円高だけが鬱陶しい材料となる。利下げは株高と円高方向だろう。
ほとんどの投資家はリセッションリスクを無視している
米国投資家ならリセッションが見えてきた瞬間に格下げだろうが米国債を買えばいい。これで全てが解決する。あとは米債を売って株に持ち替えるタイミングを待てばいい。
2022年末から何度もリセッションというワードが出てきて、レイオフが増えときも頻出した。
ほとんどの投資家はリセッションリスクを無視し始めていてもおかしくない、ソフトランディングの可能性がかなり見えてきたので米株は一気にほぼ最高値まで買い直しが入った。
過去も同じことが何度も起きていて、リーマンショック前だってリセッションはない前提で経済状況が悪化しても株価は最高値を更新していた。
今回の最後にリセッションがあるか知らないが、ナスダック100が17000という最高値をつける可能性は十分にあると思っている。
その後は一気に下るかもしれないが、ここから最高値くらいはつけておかないと面白くないw
ナスダックが最高値を更新した21年の11月12月あたりはインフレは一時的だと楽観的だったわけで、いまの利下げを織り込みにいっている相場でEPSが少しでも上がるなら楽観で最高値を超えるのはあり得る。
とにかく米株の中で強い銘柄を買うしかない。スーパー大型のグロース一択で他の銘柄は短期急騰の可能性があるが選ぶ作業量と運を考えたらスーパーテックで問題ない。
米株でPER上昇が起きるなら日本株でも起きてしかるべき、例えば最近リクルートが買われているが典型的なグロース銘柄だったものが上がっている。
決算後に高成長なのにPER水準が平均から大きく落ちた好業績なグロース銘柄もチラホラある、規模感が足りないから買われていないがPER修正なら成長性が高いほどいいだろう。
リセッションがあったとして、鮮明になるまでは売られてきたグロースに最脚光の可能性を感じていて、どうせ景気悪化で利下げされるなら成長性があった企業の方がいいだろう。デカい企業や信用できるグロース企業なら乗り越えていくだろう。
成長性が鈍化しているところは無視していい、特にないならスーパーテックで、成長性維持しながら安い銘柄はPER修正で一気に買われる可能性があるので賭けに値する。
もしリセッションを匂わせるように経済指標の悪化が全体的に継続するなら社債とか米債とかおける場所はある。
指数の高値更新を前提としながら、全部上がる相場はすでに終わった感があるので、上がりやすい特徴のある株だけを持つべきで、持たざるリスクからホールドするリスクへ意識を変えておきたい。
利上げ可能性は残っている
最後に触れておかいないといけないが年内にFRBが利上げする可能性は一応残っている。
これを2024年に延長するようなら利下げは絶対に遅れると見ていいだろう、あるいは経済が強すぎるか…
少なくともFRBの利上げがないとパウエルの口から聞こえたら相場は次のフェーズだろう。いますぐ言えばいい材料だが、悪化してから言えばリセッションを意識してしまうかもしれない。
日銀も一応は利上げというか正常化の可能性がある。賃上げが絶対前提だと思うが日本はポピュリズムが酷いので民衆程度の脳足らずの声で金融正常化を急ぐかもしれない。
円安で過去最高税収と企業利益なので円高は日本の財政悪化と稼ぐ能力を下げることに繋がるし、もし円高にしたいならもっと世界景気が良いうちにやるべきだっただろう。
日本の金融正常化はグローバル投資家にとっておも大きなリスクで、キャリートレードの逆回転になるなら影響の範囲がイマイチ分からない。
米国の利上げはワイルドカードというか使えるよ?使っちゃうよ?焦るなよ?のブレーキを引く前の抑止力的なもので金融市場が先に動きすぎるのを防ぐ役割だが、利下げ織り込みが急速に起きたので利上げ可能性も引っ込めることはまだできていない。
私は日本株投資を最近はメインとしているので最大のリスクは日銀の金融正常化および利上げだと思っている。
日本の金利が上がるときは金融株と海運などバリューが上がって、クオリティやグロースが売られる展開になるので私の好きな銘柄は後者なので金融正常化は肯定できない。
昨年末から日本の金融正常化へのアクションは未来ある企業の価値を下げ、競争力のある企業の価値を下げる方向に効いておりバリュー株は現在価値の乖離くらいしか旨味がなく、あとはキャッシュフローの吐き出しを増やさせるかくらいで経済への好影響はあまりない。
年末までは米国のスーパーテックをメインで見つつ、日本株ではクオリティグロースなどPER上昇を狙いたい。