減益している高ROEの企業を狙え
土日なので株式投資の妙味を書いていこうと思います。
今回はROEの高い企業における減益です。
株式市場において優良株は基本的に中立なバリュエーションで君臨しているはずです。
優れた投資家はそんな優良株が崩れるときに買う準備ができるのでリターンが増えるわけですが、この崩れるというときが相当にストレスフルです。
ROEが高い企業は株主資本が積み上がる速度が低い銘柄より高いため、どんどんと底値が切り上がっていきます。
逆に底PBRに代表されるバリュー株はROEが低いので蓄積がなく、いつも底値みたいな位置にあって、高ROEがどんどん株価の水準が上がっていくのはROEの高さで積み上げるからです。
では、ROEの高い優良株を買う場とはどこなのか?ですが、本質的には減益か増益だけど短期的に水準が低いときなどです。
減益は投資家が嫌いますが、例えば今ならどうでしょう?
大人気の半導体関連でも減益だけど高ROEはありますが、ここは景気に左右されており事業の戦略ミスではないです。
あるいは今年から来年の景気鈍化局面で減益で売られる企業は、金利や抑圧的な経済のせいでしょう、長期投資と割り切って損失を全部くらうのは良くないですが、株主資本の蓄積を信じて底値を予め設定して買えばリスクは限定的です。
ただし、減益はいいですが赤字はダメです。ROEの上昇で下値が切り上がっていますが、赤字では下値が拡大する資本流出なので問題です。
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こちらの株価チャートは駐車場サービスのアズームの株価推移です。
2019円から2020年までのコロナショック以前にも株価が下落していますが、確かにコロナショックでもいいですが、本質的には2019年からの下落は買い場でした。
業績推移だとこうなっていますが、18年9月期は25%のROEで、減益の翌年は6.5%まで低下し、15%→29%と回復していきました。
歴史がある企業ならもっと分析しやすいですが、赤字が少ない企業ならROEの観点から資本の蓄積を信じて買うことができ、アズームの例なら株価の完全な底はコロナショックですが、その前から買いのチャンスだったわけです。
投資家は減益にあると未来が読めないので、未来永劫減益だと思い込いますし、成長鈍化すると未来永劫成長しないと売り込みます。
しかし、優良株を狙う投資家はそんなタイミングが例え減益であっても狙い場なのです。
低ROEの企業は過去業績を分析するとたいていダメ
今年は低PERで低ROEの企業が買われていますが、あれは低PBR以外に何の価値もない企業です。
2つ市場にあったとします
①過去は成長が続いているけど相場全体から見たら割高だけど単体の平均からなら最低水準の優良株
②過去は完全停滞の相場全体から見たら冴えないけど割安な株
今年なら②が買われています。
ある程度、業績にボラが上がりながらもEPS拡大やROEはある程度の水準をキープしてきた企業なら、ずっと数%の増減を繰り返している低ROE企業より遙かにマシです。
海運株やパチンコ関連のように風向きの変化で業績主導で買われるなら高ROE化するので大丈夫ですが、無理やり成長期待の可能性が感じられない低PBR&ROEを買うのは株主還元の限界に達したときに優良株のような成長ドライバがないので終わりです。
色々と割安株を探してスクリーニングすると、PERは過去平均より中立以上になっている、PBR0.9倍から1倍の間の上昇余地の少ない、準割安株が大量にあります。
その中にROE10%を超える企業は数える程度しかない。
それらを色々見てきた状況だと、現在は高ROE企業の短期的減益や低成長化を安値で拾う方がチャンスがあると感じます。