決算ギャンブルにケリー基準を用いる
今年は決算ギャンブルが頻発しているのでS安や決算後に半値銘柄をよく見ます。
私はケリー基準というギャンブルに用いる手法を使って決算ギャンブルをすることもあるんですが、今年の環境が続くなら難しいです。
決算ギャンブルとケリー基準は合わせやすい
決算で株価が上がるのは利益が増えるからというのが通常です。
今年だと大規模自社株買いもありますが、通常は利益上昇によるPER修正で株価が上がる。下方修正ならPER上昇を株価下落で修正するので株価が動くわけです。
なので、利益の予想さえ出来ていればPERの修正を狙ってケリー基準を用いた安心安全な賭けができます!
ケリー基準を使った決算ギャンブル
私はポーカーが好きなのでギャンブルを理論化した数学を用いた理論が好きで、ケリー基準は期待値に対してどれくらい賭けるとプラスで最適な複利が達成できるか?というものです。
例えば決算で利益が30%増益するとなると株価は30%上がると見るのが自然です。成長性を加味すると四半期で大幅な伸びがあり継続するからPERそのものが上がるとすると
40%の確率で株価が30%上昇する、10%の確率で50%上昇する、30%の確率で10%下がる、20%の確率で20%下がるとしましょう。
業績が成長すれば30%上昇する、成長性も買われてPERが上昇して50%上がるのが上昇の確率として、
決算後に好業績がなければ10%株価が下がる、下方修正があれば20%下がるとします。
こうすると計算の結果で資産の14%を決算ギャンブルに投じればベストとなりますが、株式はボラティリティが高いのでハーフケリーを用いて資産の7%にすれば損失は限定的になり期待値はプラスで利益が増えます。
この勝負の場合は50%で勝利し、残りの50%より利益の期待値が大きいことから可能です。
もともとPERが低い銘柄を対象とした最大の下落が10%で最大の上昇が50%で計算すると以下になります。
50%で50%上昇、50%で10%下落
(50×0.5)+(-10×0.5)
20÷50=0.4で40%で資産の40%を賭けるのがベストになります。
これは決算が無風でも多少悪くても割安株だから下落率が限定的だよね、だけど事業は絶好調で次の決算で凄い!という理想的なケースです。
上昇率と下落率は計算できないが…
上のはあくまでも仮説であり、銘柄分析と決算の期待値がとにかく高い銘柄になら多くの資産を賭けるべきと分かったと思います。
先程の例は株価と決算が乖離しているパターンですが、決算のたびに株価が上がる銘柄であれば、まずは適正PERを探します。
決算で上方修正や通期業績で変化したPERが◯◯倍まで戻る!と探しだすわけです。
例えば決算後にPERが60倍→30倍に低下→まずは45倍くらいまで一気に買われ、あとは次の決算への期待でPER60倍にまで上がるとしましょう。
この場合、まずPERが決算の業績内容で下がることを前提として上限PER60倍で推移している銘柄となります。
アズームという銘柄は株価が右肩上がりですが、本決算後にPERが30倍程度まで下がることが多く、決算後に好調だけど相場でPERが下がるときもありますが、21年22年23年と本決算に向けてPERが上昇し、本決算で業績予想が強く出てPERが50倍→30倍まで低下して再び1年かけて50倍に上がっていくという業績によるPER修正をメインとした株高となっています。
アズームのような銘柄を発見したら、本決算などの業績が変動するタイミングを探し、そのタイミングで大きく賭けるのが決算ギャンブルであり、相場の動き自体はPERの倍率を±10倍振れさせるノイズと思っていいです。
今回もアズームのPERが業績主導でPER30倍まで低下するなら、再び時間をかけてPER50倍に上がっていく可能性が高く、期待値の計算がしやすいですが、失敗ケースがデータにないので損失の計算が難しくなります。
50%で30%のリターン、30%で変動なし、20%で20%の損失くらいの前提を出すべきか、この前提の計算が重要でPER修正が発生しなかったケースはアズームならPER50倍→50倍で変動なしならどういった動きをするのか?です、成長終了でPERが下がる可能性があるのでそれを計算に入れるべきでしょう。
基本的にはPER修正の株高をPERの推移からリターンとして設定し、変動なしを株価10%マイナスにして、PER悪化をS安クラスの25%マイナスみたいに設定すれば株の場合の仕掛ける資産量を推定しやすいです。
この方法はとにかく期待値が高い銘柄を多く持つ理由づけになるので、PERなどの根拠のある数字が動くのか?に期待値を乗せています。
そのため根拠がない大きな賭けを抑制してくれるので、例えば50%で+20%と-20%なら期待値は低いのでハーフケリーを用いれば資産を入れる意味がないとなるので決算ギャンブル対象にしないとできて必然的に投資できる対象が減っていきます。
どれだけ根拠があっても資産が減りすぎない賭けになるので、一発二発で退場にはならないように最適な賭けの量を求められるのでリスク回避をしながら、リスク回避しすぎてリターンがないという事故を防げるので数字が根拠というクオンツ的世界です。