米国ディフェンシブ銘柄が売られている理由
米国は相場が不安定になってきているがディフェンシブ銘柄が相対的にパフォーマンスがずっと悪い。
ダラーゼネラルは最高のディフェンシブ銘柄とも言われたが、株価は下落を続けており高値から半値以下となっている。
理由はコスト増もあるが、米国は治安が急激に悪化しており小売店は万引きや強盗が増加しておりダラーゼネラルの被害は前年比で倍を上回る。
それ以外のディフェンシブ銘柄もコスト増を最初は転嫁できていたが、次第に増益幅が小さくなり、今の高インフレでは+5%の増益は最低確保しないといけないが多くが苦戦している。
ディフェンシブ銘柄は不況になった方がコスト問題から開放されそうだが、小売店は万引きや強盗の増加に警戒する必要があり日本と違う認識がいる。
業績悪化や急落していないとしても配当を安定して出せているディフェンシブ銘柄も弱い。
景気に影響されづらいであろう銘柄でも配当利回りが4%程度であれば株で持たずとも、米国短期債の運用で十分な状況で、低金利だった時代は債券と比較した配当優位と増配が債券の代替品となっていた。
現在だと短期債利回りで十分にリターンが出るので、わざわざ値下がりリスクのあるディフェンシブ銘柄を保有する必要性が減っている。
長期債を避けて短期債で運用しても配当より高い利回りが期待できる上に、利上げは1回を残す程度で短期債は十分に織り込んでいる。
ドルの保有者からすれば低下してきたインフレをヘッジするのは短期債で十分だろう、バフェットも長期債については言っていないが、米国債をAAAAと安心していて毎週のように短期債を買っている。重要なのは短期債である点で、長い期間のリスクを取らない投資家が多い。
日本人からしてもMMFなどを使えば債券運用とは言わずとも、ドルを5%近い金利で運用できる。債券なら利下げで価格上昇もあるが、MMFなら金利が低下していくだけで円高なら厳しい…
債券の市場は大きいので債券の代替品として色々なセクターにあったディフェンシブ銘柄が現在は不要となっており、しっかりとした増益と増配をしていれば、不況で利下げに追い込まれる局面では債券からの買い替えの期待ができるだろう。
日本でディフェンシブ銘柄は買われすぎ
日本で短期債は依然としてインフレ率を圧倒的に下回り、長期債は米国同様にリスクが高いので安定運用は社債や不動産となる。社債はまだしもリセッションなら不動産はリスクにしかならないので安定運用とはいいづらく、実質は社債だが個人投資家は買わない。
そうなると日本で安定運用や1年間ごとの安定利益を取ろうとなると株からの配当に頼ることになる。
日本のディフェンシブ的な銘柄は米国に反して年初来高値当たり前、上場来高値さえある状況になっている。
東証のPBR改善を不況の前年(予想)に宣言したので、不況へ向けた逃げ道を潰している。
ずっと上がっている電力株を相場が不安だからと買えるだろうか?高い小売株を買えるだろうか?
私は日本のスーパーマーケット株や小売、飲食株で1年で倍になった銘柄もあるし、ほとんどは25%以上上がっているがディフェンシブ株が上がった状態でディフェンシブ株が本来輝くような状況になるのは不利だと思う。
ディフェンシブ銘柄は下落余地が少ないから他より下落時に耐えて、配当を受けながら回復を待ちやすい。
増配したディフェンシブ株が不況で高配当を維持できたらディフェンシブ銘柄といえるが、今年起きている増配企業のディフェンシブ性は検証する必要があるだろう。
増配で上がった分が減配で戻るなら下落余地の大きな銘柄が多数あるように思う。
日本円を安定運用するなら、相場の緊張感が高まるなら、インフレ率が残っていてもディフェンシブ株ではなく現金一択だろう。
米国ならMMFや短期債で安定的に待たせれるが、日本では日銀が緩和して東証が割安株を引き上げたので円のままで逃げ道を探すのは難しい状況である。
円を寝かせるなら累進配当宣言していて配当利回りが3.5%以上ある銘柄に寝かせるくらいだろうか。