子会社の株価急上昇かつ5G浸透で業績好調でも買われないフリービット
マンション向けネットサービスで株価上昇が続くギガプライズを傘下に持つフリービットは2020年に経営者が戻り、方針転換から売上の回復に過去最高益を今期に見込んでいる企業です。
私がファンドなら改善案求めて株主還元や買収に向けた話を進めたくなるくらい、業績に対して割安であり、株主還元が弱いです。
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フリービットは主力事業は5Gを用いたインフラ支援であり、5Gはスマートファクトリーや自動運転には欠かせない技術で、ただ庶民のスマホが高速通信になる程度のものではなく、Wi-Fiよりも広いエリアをカバーできセキュリティも上なので、ローカル5Gは普及しつつありますが、フリービットはそこにいるイメージです。
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構造改革から再成長へと向かうフリービットは売上成長は乏しいですが、利益は急成長中で今期は過去最高益を見込んでいます。
それを表すように利益率は改善を続け、株価上昇の条件のひとつである利益率の継続的な上昇は達成しています。
今期はROEが30%に達しますし、ROAも業界内だと適正くらいまで回復しています。
ブロックチェーンや生成AIにも意欲的なので、ただの通信インフラ屋ではなく、時代の先行きも見据えており決算説明資料はなかなか面白いですw
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最近関係を深めているアルプスアルパインとはMaasで協力しており、自動車インフラやスマートシティなど幅広い分野での拡大を狙っています。
大株主にはアルプスアルパインが入っていますが、明らかに割安なので大量買付が今年発生しており、防衛策をしたり本業以外でやることが増えている企業でもありますw
フリービットは2020年からの事業再編などの構造改革で売上は再成長、利益は最高益と中期経営計画に向けて順調に進んでいます。
株価は対して上がっていないので、多少資産のあるファンドなら十分に買収できますが、フリービットの株主にはオービットビジネスコンサルティングや光通信などもおり、個人が少ない銘柄な印象です。
フリービットが買われないシンプルな理由は株主還元の圧倒的な不足で、ファンドが付け入るスキはここにあります。
配当利回りと自社株買いを合計した総還元性向は直近で9%と圧倒的に低く、総還元利回りが0.4%しかない状態で利益回復に対する株主還元が薄いです。
株主還元が少ない状態だと、株主は株価上昇による利益しかないですが、株主還元がないので株価がそもそも上がらないので、株価急騰するほどのハイグロースではなく株主還元の余地があるという点で、米国流なら圧倒的なダメ企業です。
そして、株主還元の方針が書かれていないので、利益が増える→けど決まった指標がないので配当は増えるのか?自社株買いするのかが不明瞭です。
仮に経営計画通りに進んだとしても、結局株主還元がなければ発表によるファンダで株価が一時的に上がるでしょうが、見合った増配や自社株買いがなければ中期で株価を支える存在はなく、一発の上昇に留まってしまうのが株価チャートを見れば明らかになっています。
5Gやブロックチェーンを活かした企業で利益成長中の企業は珍しいので投資先として面白いですが、圧倒的に足りない株主還元意識だけがネックです。