今から円高トレンドになれば日本はデフレ
【日本市況】長期金利が急上昇、日銀YCC上限超容認報道-株大幅安
日銀がYCCの許容を10年金利で0.5%→1%へ日本にしては大胆な政策変更をしました。
以前として金融緩和に変わりはないという点でなんとも難しいですが、短期金利は抑えられたままで長期金利だけ上がるので固定金利を組む側が辛く、銀行株が上がるのは当然な流れです。
預金金利は短期で、銀行の提供する金利は長期なので…
ただ、日本の長期金利が1%まで市場の力で上がるかが疑問です。
日本の資金がダブついた金融機関からすれば、米国債を買わずに日本国債を増やせばいいので、為替ヘッジとかリスクコントロールして米債を買うくらいなら、十分買われそうな水準かなと思えますね。
だって、コロナ前の日本10年金利がマイナスだったのでw
もちろん、インフレが恒久的に続くなら、10年金利がマイナスになるという異次元状態は二度とこないでしょうが、日本の長期金利が1%は歴史的水準と言えそうです。
FRBは直近で0.25%の利上げをし、まだ利上げの余地を残したので最低であと25bpの利上げはあるでしょう。
日銀も幅なら50bpで凄いため、現在は1ドル138円に円高に動いています。
非常にシンプルな考え方をすると
当時の安倍政権が異次元の金融緩和含めた政府日銀の連合軍で円安誘導したのは、それがインフレに繋がるから行ったわけで、経済政策が強く推移したら早期に経済成長くらいはしていたでしょう。
現在はその異次元の金融緩和からの巻き戻しを着々と進めており、イコールでデフレ方向への動きになります。
異次元の金融緩和で2%のインフレを内需で動かせなかった日本ですが、外需主導で発生したインフレを内側の力でデフレに戻そうとする動きは儚くて面白い政策であり、金利がピークを迎える米国と反対の動きなので、金融引き締めか緩和か先が見えない日本と、利上げは終了する米国という対比では日本株は買いづらいです。短期的には。
世界にとってはどうでもいいでしょうが、日本が円高になるのはデフレと同義で、円ヘッジで日本株を買っていた外国人は株を売るほどに円高になるので、円高株安は実需面で重なりある可能性があるので、米国が利上げ完了し経済動向が本当にリセッション回避するかを見極めるまでは動くべきではなかったでしょう。
YCCをイジったから日本の金融政策がしやすくなる点はないです。
結果は長期の金利が世界的にちょっぴり上がることで、米国債も少し下落して株式市場を痛めつけるくらいでしょう。
将来のリセッションに備えるなら、やることは米国と同じで利上げしかないですが、YCCを中途半端にイジることしかできないので、これは将来の金融緩和においては拡張的な意味はなく、次もQEと決断できるかは分からない経済政策次第になりそうです。
デフレの完全な脱却を成し遂げてほしい投資家からすると、いまはヘッジファンドの挑発もなかったし待ってよかったと思える。
アメリカの利上げが効いてくるのは2024年で、高い金利への借り換えが兆ドル単位で発生する。
アメリカがリセッション回避の可能性を高めているが、想定外にリセッションに突入していけば利下げする前に円高になる。
デフレ脱却と言うには、少なくとも2%以上のインフレが3年は継続してほしい。
日本国内で今起きている値上げはしないと潰れるからという、
あまりにも消極的であり、需要によるインフレではない。
1-3月の需給ギャップはマイナス0.34%、2期ぶり改善-日銀
12期連続で供給が需要を超えている、これがインフレを否定する1要因であり、この需給ギャップの改善は人手不足がメインとしている。
労働投入ギャップが改善しているが、投資して供給を改善しようという資本投入ギャップは直近は悪化している。
賃金がインフレを超えて〜のためには、需給ギャップがプラス1%とかは必要だろう。
貿易収支は足元で改善している、世界の利上げが効いて需要がもっと減れば、日本の輸入額も減少することから貿易赤字だから円安という議論はしにくいだろう。
ただ、大幅な黒字にはならないだろうから貿易はニュートラルと考えられる。
さらに加えて言えば、増税マニアで知られる今の総理大臣はサラリーマン増税は止めるようだが、もしかしたら全国民増税に進化させてくる可能性があるのでw
増税は当然デフレ効果があるので、国民の将来に影を落とすことでインフレを止めようとする優秀な総理と言っていいだろう。
結論は円高トレンドに早期に入るなら再びデフレだろう。
海外投資家が日本株を買ったのはバフェット大師匠の効果があるが…
デフレからの脱却が理由としてある、政策変更でデフレになればインフレの国からデフレの国に投資するバカは少数派なので資金は引力で海外に帰っていきそうです。
日本の隣にある中国はデフレをバラマキそうだ、GDPが2位の国がデフレになれば他国を引っ張る。
1位の国はインフレが沈静化しつつあり明るい日差しが見えたらしい。
3位の国は中国の景気含めて企業業績の伸びが止まりだしており、成長を止めてくる。
日本が円高になったときに政府は支援できるか?
需給ギャップがコロナ後に一度もプラスにならなかった日本人が、円高で多少安くなったくらいで需要が爆増するだろうか?
消費者物価指数(生鮮食品を除く=コアCPI)の前年度比上昇率の見通しを2023年度は2.5%に上方修正した。24年度は1.9%、25年度が1.6%で、数値上は政府・日銀が物価安定の目標とする2%付近が続く見込み。
上ブレリスクが大きいとしながら、来年は2%割れの予想に既に低下している。
輸入物価が低下していることを認めつつ、1.9%もインフレすると予想しているので、実現すれば日本にインフレが定着するというのに近しい。だが、25年度に1.6%に低下するのは良くない。
将来に目標としている2%インフレから離れていく予想をしながら、政策変更を進めるようなニュアンスなのは違和感がある。
今回のYCC政策変更に関しては、総合的に見ると就任から半年後くらいに動き出そうとしていただけにしか見えない感じで、YCCの動きの幅はサプライズ。
市場に与える意味は緩和修正でプラス要因なはずだが…
まずはドル円が135円を下回らないことを祈ろう。
円高方向に強くなるのはまだ早い。
今回のサプライズはサプライズなだけで内容なくね?