なぜ利上げの効果は遅れるのか
FRBは2022年に最強の利上げを行った。
利上げがされたので負債サイドは辛くなるが大丈夫。
FRBの利上げが遅れたことを批判するものにこういったものがある。
利上げが遅れたことにより、好景気状態なのに多くの人々や企業は過去最低に近い金利で2020年〜21年末まで新規の大きな借り入れができ、負債を抱える企業は借り換えができた。
2020年はコロナで世界中が急停止し、企業も対応に動いていたが、2021年は回復という言葉で表すほかない中で人々は消費も投資もし放題であり、新品が足りないから中古車も中古住宅も骨董ブランド品も全部上がった。
では、利上げのピークが迫る今でも経済が思ったより傷んでいないのはなぜかと考えたが、シンプルに個人はインフレもあって辛いかもしれないが、企業からすると債務が多いのが企業の基本なのでインフレで目減りし、借り換えしたので最低金利で負債を持っているから、ファイナンスできた企業はまだ問題ではないと予想できる。
新規の負債を作らない限りはキャッシュフローの減少を抑えればダメージは少ない、多くの企業はレイオフをしたし、成長事業とされた分野の人すら切ってきた。
そこで残ったリソースはAIなどの債務として借りないで良い、株価上昇などの別の形での資金調達方法を探った。
これが米国企業の財務がそこまで悪化していない理由として考えられ、いつでも債務と借り換えと相談をしている既にヤバい企業を除けば、一部の銀行以外は利上げでダメージを負っていない。
しかし、利上げの効果が遅れて効いてくるのは、この債務がいずれは負担になるからだ。
借り換えしたものは低負担で将来にぶん投げることができたが、借り換えにも期間があり、ここから1年半で約1兆ドルの借り換えが発生する。
ラッセル2000という弱い企業の指数が炭鉱のカナリアとなるのは、利上げが時間差で効いてくるため、今回なら利上げから1年半から2年で企業の体質は一気に悪化する懸念があるように、時間差がある。これが利上げ時でも株高となる要因で、あるときにラッセル2000が先行して下げる理由になる可能性があるのだろう。
低金利から信用がなければ2桁あろうかという金利での債務に変わるため、ラッセル2000にあるようなバーンレートを延命できた企業は来年から痛みとなる。
それを肯定するように、ラッセル2000は高値からもっとも遠い指数で、足元で上昇しているが普通にナスダックでいい。
では、利上げとなればすぐに借り換えで延命できるか?だが、利下げ時は経済が弱いので利下げするため、企業の債務にはプレミアムをつけて金利が発生する。
事実、コロナ後には利下げから恩恵を受けるナスダックとラッセル2000で、ナスダックはコロナショックから3ヶ月で高値を取ったが、ラッセル2000は8ヶ月もかかった。
ナスダックの上位にあるような企業はスーパーなフリーキャッシュフローを生み出せる企業で利上げは効かない。
なんなら、Appleのように高い金利を払いましょうか???くらいの煽りをしてくる。
テスラもGoogleもMicrosoftも別に債券を発行できるだろうw
それくらいにナスダックの上位企業は問題がない。
今回の利上げはスピード感があり、規模も大きいことから銀行が多少破綻したがw
多くの企業にとってはその早さゆえに、借り換え期限が来る前にピークに入った。
もしかしたら企業の借り換え前に経済が失速して、再び低金利で借り換えができるかもしれない。
そうなったら赤字の成長企業を黙って買おう。