アルミ電解コンデンサ首位の日本ケミコンは米国のいじめ訴訟で時価総額が吹っ飛ぶ
本来なら今の半導体相場で一定の恩恵を受ける銘柄に日本ケミコンがあり、私の監視リストに入っていました。
日本ケミコンはアルミ電解コンデンサが世界トップシェアであり、日本企業のニチコンが同分野で高いシェアを誇ります。
独占性が高いために投資家は独占企業を求めますが、米国等は独占が嫌いなので度々制裁金が課されており、日本ケミコンは今期業績が強い予想ですが、訴訟の制裁金を支払えば赤字は確定します。
電子部品材料のサプライチェーンを確保したい日本政府は国産半導体を強化したいようですし、日本ケミコンを救えば?と思いますが、もし日本ケミコンのアルミ電解コンデンサシェアが落ちるならニチコンが有利でしょうが、たぶんですがニチコンも訴訟のリスクを抱え続けると思います。
過去を振り返ると時価総額規模が大きなニチコンが17年と18年度に100億円を超える制裁金を払っていますが、そのときも株価が下がっています。
規模が小さい日本ケミコンが200億円程度の制裁金を払う可能性があるため、財務的には非常に厳しく今期の利益予想が62億円予想なので、例えば支払いが100億円程度なら赤字だけどまだましかという内容です。
日本系のアルミ電解コンデンサは何度も世界中から制裁をくらっているのでシェアが高いという理由で毎年のようにくらっていたニチコンのように、改善するには他国にシェアが移るしかないのかなと思えますね。
日本政府はこの辺を保護主義的に守ってもいいと思いますね。
どちらにせよ、日本ケミコンの現金同等物は260億円程度なので制裁金で吹っ飛ぶ予定で、払えたから「はい、OK」でもないでしょう。
EVなどの車載蓄電や全固体電池での活用が見込まれる部品を開発しているため、ここで無駄に資金を失うと研究開発等が厳しくなるので、将来性のある製品開発ができているだけにウザい訴訟ですね。