日本株が好調なのにグロース市場に資金が来ていない理由を考えよう
昨年から東証はプライム、スタンダード、グロースに分かれており、プライムとスタンダードは優良/バリュー、グロースがグロースオンリーとなっている。
そして、現在の相場は東証プライム市場及び日経平均株価だけが上がっている相場で、相対的にはバリュー株好調の様相となっている。
グロース株においてはAIや防犯などの材料がない限りは苦戦している状況で、バリュー株はPERとPBRが株高で上がっていますが、グロースはひたすらにPERが低下している銘柄が多い。
この流れが続くと日本からPBR1倍割れのバリュー株が減るのと同時に、PBRの高いグロース株がなくなっていきそうですw
グロース市場に資金が来ない理由
大前提としてグロース市場に海外投資家はあんまりいない、また個人投資家は日経平均株価の高さからグロース市場が安いことは認識しているでしょうが様子見の待機勢が多数。
また、個人投資家は上昇トレンドに飛び乗るのが基本であり、上で書いたようなAIへの集中が継続しており、あとは半導体やバリュー株に集中しているため、個人投資家自体がグロース市場全体を見ていない。
グロース市場の安値圏は日経平均株価の下落の兆候か?
基本的には資金流入がある際の最初の受け入れ場がグロース市場であり、規模が小さいゆえに相場の上昇を先取りしやすい。
反面、弱気になり、追証などが増加してくるとグロース市場はまたたく間に崩壊する。
現在のグロース市場は過去半年で見ても安値圏に迫っており、今年の日経下落前もグロース市場が崩壊していたように、来月辺りに日経平均株価やプライム市場が急落する可能性を示唆している。
青色がマザーズ/水色が銀行株ETF
価格を単純に並べた変化率ではないグラフでは共に上昇していますが、先にピークを打っているのがマザーズ=グロース市場のように見え、材料循環を考えるとグロース市場に資金が流れるのが次のフェーズですが、東証のPBR政策で資本効率の悪いバリュー株に資金が滞留する可能性があり、日本株の資金効率が全体的に低下する恐れがあり、それが現在感じる日経平均株価や一部テーマのみが極端に強い相場を形成しているでしょう。
青色がマザーズ、水色が日経平均株価
基本的に日本株の括りなのでチャートは似てきますが、マザーズの方が先に底値をつけるケースが何度も見られます。これは個人投資家の逆張り思考により、早めの買いが入るためでしょうから、やはり個人投資家が買うには日経平均株価そのものが崩れる必要があるようです。
また、直近では日経平均株価とマザーズの連動性がなくなっており、これがバリュー優位の動きでしょう。
マザーズだけ見るとレンジ相場に入っているので、親玉である日経平均株価の調整を待っている格好でしょう。
本来なら上がる日経平均を追うはずですが、その前に6月のMSQを迎えそうです。