やはり問題はインフレではなく景気後退
3月のあるタイミングまではインフレ再加速の議論がされ、銀行破綻でインフレ議論は後退しました。
銀行問題が少し解消したあとはインフレ議論が再燃したように見えましたが、次は景気後退の足音を経済指標から感じています。
日米ともに製造業の景況感の悪化が続いており、米国はやはり雇用の安定感に欠いている状態。
先月の金融不安や5月からの規制強化により、早くも金融機関は活動が止まっており、金融サイドの動きが鈍くなったことで、利下げで株高は!は到底無理な状態です。
アメリカは人手不足の話がずっと続いていますが、大手企業のレイオフは続いており、いま流行っているものが労働者を追放するAI産業であり、インディードの動きからも米国で賃金上昇と失業率低下の流れが終わったことは考えやすい状態です。
4月5日の日本株は大幅な下落となりましたが、いつもどおりの動きで真っ先にリスクを受けるのが世界で取引開始が早い日本市場なわけで、中国や米国市場が今週は休場するタイミングがあるため、リスクヘッジは閉まる予定のない日本という感じでしょう。
上の話を肯定するように東南アジア市場や韓国市場などは落ち着いていました。
日本のインフレは政府のガソリンや光熱費支援、旅行支援などで強制的に下げており、これがあることで強制的にインフレ率を下げつつ、消費量自体は増やせるため、ややインフレ下の政策としてどうなの?という感じですが、ポピュリズムなので本質的なインフレ対策よりも長引かせてもいいから状況改善を待つという感じなようです。
人によってはインフレ再加速の議論をしている人がいますが、このインフレは続かないと思っています。
金融サイドは突然としてリスクを認識し、実は危ない資産があるんじゃないか?そこには優良資産もあるんじゃないか?と疑心暗鬼で、貸し出しを渋りだしていて、さらに借り手も弱っています。
アメリカはレイオフがテック業界では毎月のように繰り返されていますが、テック業界が再び多くの人を雇える状況になるには、資金流入と業界拡大ができるほどの金融経済状態にならないと不可能であり、コロナ禍で多くの雇用を吸収してテックが痛みだしたことで、製造業はダメ、非製造業でテックはダメ!と人手不足はあるでしょうが、新規人材を育成したり大量に必要とする業界はほぼないだろうと思っています。
日本も製造業が景況悪化、非製造業は横ばいという状態で、非製造業内で弱いところと強いところを合わせて横ばいと考えると、実はかなり苦しい状況だろうと思えます。
Appleがレイオフ検討
セールスフォースが追加でレイオフ
マクドナルドがレイオフ準備
ゼネラル・モーターズは早期退職募集
ディズニーレイオフ
エレクトロニック・アーツレイオフ
と1ヶ月以内で絞ってもレイオフのニュースは枚挙にいとまがない、もっと小規模な企業を含めればレイオフの勢いは凄まじいでしょう。
このレイオフであふれる有能人材を新興企業が拾っていたのが昨年ですが、シリコンバレー銀行破綻で新興企業の資金繰りも急激に悪化し、次の資金繰りも分からない状態では、新興企業が人材を吸収してグロースというのも難しくなったでしょう。
少なくともシリコンバレー銀行 - 新興企業というシステムがぶっ壊れたので、現在人手を増やせる米企業は①キャッシュフローがプラス、②利益成長できている、③人手不足という、追加資金が必要ない成長企業と考えると、あれば投資したいですw
アメリカはしばらく経済指標が悪く続く可能性があり、バッドニュース・イズ・バッドニュースという利下げ期待での上昇はないだろうと思います。
少なからず、いま利下げ観測されたとしても株価上昇は限定的でしょう。
米国はファンダメンタルズが急激に悪化している。