今回の騒動でリーマンショックのようにならないと思える理由

2023年3月31日  2023年3月31日 

私はリスクテイカーなのでクレディスイス吸収の辺りは買い場でした。

既に日経平均株価が28000円回復したのでリスクを減らし始めていますが、思ったより旨味がなかった相場でした。


Twitter上ではリーマンショックくる!?大恐慌くる!?という話でもちきりでしたが、そうでない理由を書いていきます。




今回の2つの破綻劇

前提としてリーマンショックは紙くずのような債券を、これは日本債券よりも信用できると世界中の金融機関が買っていました。

これがサブプライムローンを含んだMBSへ投資していた投資機関の破綻を招きます。

つまり、誰もが信用していた債券が紙くずで、この債券が償還すること自体がなさそうだ、損失がとてつもないという事でベア・スターンズは救えて、リーマン・ブラザーズは救えなかったわけです。



シリコンバレー銀行の場合

シリコンバレー銀行は世界中のベンチャー企業へ融資や銀行業務を展開する、ベンチャー企業に特化した金融機関です。

ベンチャー企業は2020年からの世界的金融緩和で預金が爆発的に増加し、それを一手に引き受けるシリコンバレー銀行は当然ですが預金が増えます。


銀行は預金を貸し出しか有価証券運用で効率的に回転することで利益を得ます。

が、シリコンバレー銀行はFRBの行き過ぎた金融緩和で増えたお金を適切に貸し出しことができず、債券投資することになりましたが…


債券のデュレーションリスクをミスったシリコンバレー銀行は、またもFRBにやられました。

FRBが金利を5%まで一気に上げたことで、金融緩和時に買っていた債券の含み損が拡大し、預金が抜かれると含み損のある債券を売却して損失確定して顧客へ返す必要があったため、取り付け騒ぎとなり破綻しました。

当然ですが、保有している債券は超優良な債券で、今回はリーマンショックのときのようなモラルハザード全開の債券ではありませんでした。

しかし、シリコンバレー銀行の運用部は債券のデュレーションリスク=期間の長短のリスクを適切にできておらず、金利上昇局面で対処していなかったために破綻しました。




クレディスイスの場合

クレディスイスはプライベートバンクを含む世界でも巨大な金融機関です。

預金は数百兆円規模で、吸収されるときでも100兆円はあると思います。


クレディスイスはそもそも経営が不安定になっており、コロナ後は特に失敗が連続し赤字を出し続けていました。


シリコンバレー銀行は増えすぎた預金の運用ミスからの破綻ですが、クレディスイスの場合はそもそも絡む事件で損失を増やし続けるという最悪の金融機関で、再建の途上でしたが上におなじく取り付け騒ぎやCDS上昇などがあると株価の下落も止まらず、UBSに吸収されました。



シリコンバレー銀行はFRBの政策に振り回されて破綻

クレディスイスは直近数年間に巨大損失を連続し、罰金を払いと経営がそもそもキツかった


最近破綻した大きな金融機関は上の理由がメインでした。




なぜリーマンショックにならないと思うか?

リーマンショックは上に書いたようにゴミクズのような債券が世界中で優良債券として買われていたからです。

つまり、今回の金融不安が金融恐慌に繋がると言うのであれば、サブプライムローン債券のような危機を引き起こしかねない価値がないのに優良な資産、かつ世界中がそれに投資しているという資産が必要です。


結論から書きますが、現在の世界にそんな債券は存在しないでしょうし、あっても規模がサブプライムローンのときのMBSとはGDP比で見ても、金額で見ても小さいでしょう。




銀行はかなり規制されている

リーマンショックで金融機関は全て全滅するんじゃないかという危機になりました。

金融機関が連鎖的に崩壊するリスクですね、当時は国有化やウォーレン・バフェットの救済などがありました。


その教訓を踏まえて、ストレステストという金融機関に問題がないと調べる定期テスト(シリコンバレー銀行はリスクを認識して指摘せず)


クレディスイスのときに話題になりましたAT1、あるいは強制的に株に転換される債券などで銀行破綻前に色々とセーフティーネットが用意され、連鎖倒産が起きづらいようになっています。


クレディスイスは上に書いたように巨大な金融機関ですが、吸収された現在は問題が明るみになれど、連鎖のようなことは終わったように見えます。




FRBは年内に利下げするべき

現在のMBSや米国債みたいな優良債券を持っていたシリコンバレー銀行が破綻したので、破綻していない金融機関は規制強化等で預金者を守るでしょう。


それでもデュレーションリスクを躱せていない金融機関は複数あり、日本国内の地銀も外国債で大きな含み損を抱えています。


既に金融破綻が複数起きているため、利上げせずとも金融サイドのリスクテイクが減るはずで、この効果は利上げ以上に効果があると思います。


その上でリーマンショック的な危機を完全に回避するのであれば、インフレよりも利下げ開始を優先すべきだと思います。

まず、金融恐慌になってしまえば、インフレがおー・ω・など言っている暇はありません。

信用が一気に縮小し、世界からマネーが急速に減っていくので、インフレではない世界をまたたく間に見せてくれます。


シリコンバレー銀行の破綻は特殊ですが、もし米国10位以内の銀行が破綻していればFRBは大々的なQEと利下げ示唆もあったでしょう。


少なくとも、利上げで金融機関は強化されません。

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