株主還元しっかりなKDDIは直近は下落しているが長期でキレイに株価が上がっている理由の考察
情報通信株で高配当といえば、NTTやKDDIが人気です。
KDDIは半年間で12%ほど株価が下落しており、安定した業績の携帯キャリアがメインな企業にしては変動しすぎです。
配当利回りが3.5%なので、そこまで高配当じゃないからじゃない?というのを否定できる分析を今回はしていきます。
KDDIは長期で株価が成長
月足の10年チャートですがアベノミクスからキレイに上昇しています。2016年からはレンジが長い期間続いていましたが、コロナ以降は再び上昇していて、直近までは好調な株価推移でした。
2021年から欧米並みの株主還元をしだしたKDDI
月足で見ると2021年から高配当ブームで上がっていると勘違いされる方もいるでしょうが、KDDIの株価が上がっているのは欧米並みの株主還元を開始したからです。
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アベノミクスから2019年までは総還元性向が60%程度で欧米なら並以下の株主還元でした。
総還元性向を上げていくことで、配当利回り自体もじわじわ上げながら、自社株買いにより需給も改善しながら総還元利回りでは4%以上を安定しており、配当利回りだけなら高いソフトバンクよりも総還元性向では上回ることもあり、配当のソフトバンクと自社株買いのKDDIで足元は株価の動きが違います。
欧米企業は総還元性向が100%を超えることもあり、配当性向40〜50%で総還元性向が100%というのが欧米の株主還元をしている企業の特徴です。
KDDIは21年3月期には欧米並みの総還元性向100%になっており、菅総理の政策が携帯キャリアに厳しかったので株価には逆風でしたが、株主還元強化で2022年に向けて株価は一気に回復し、総還元利回り8%という高い還元をしていまして、それによって22年は株価が上昇していました。
KDDIは3月期の企業なので現在はインパクトも薄れて下落しやすいですが、総還元性向を再び上げてくれば株価が回復する可能性があり、現在の配当利回り3.5% + 自社株買いがあるので実際は高い利回りを出しているので成長性こそありませんが、成長性がないからこそ還元強化に期待できます。