ESG投資で重要となる人的資本のエンゲージメントを測るプラットフォームを展開するアトラエ
ESG投資はこれからも重要視されるでしょう、人的投資は現在の国策でもありますし、これから注目される企業はしっかりと人的投資を行い無形資産を増やせる企業が伸びるだろうと思います。
アトラエの成長性
人材テックサービス企業であるアトラエはエンゲージメント解析ツール「Wevox」を運営しています。
またIT人材の成功報酬型求人でもパイオニアとして存在感があり、足元のハイエンド人IT人材不足と組織のエンゲージメント解析ツールを有するのは極めて時代にマッチしている企業。
アトラエの成長性として、国策である人材投資の視える化も一つありますが
各国の企業における時価総額を見てみると内訳が無形資産が大半であることが多く、米国が9割無形資産、欧州が7割弱、韓国と中国が5割と続いています。
それと比較して日本は40%にも満たない状態で、無形資産に強いキーエンスはバリュエーションの高さを示していて、国内でも無形資産に強みのある企業の価値が高まる成功例があります。
無形資産には人材やデータなどが含まれておりアトラエはこの2つを測定することができるのが強みです。
日本も世界標準並として無形資産が時価総額に占める割合が高まっていけば、アトラエは有効なアプローとのための企業として手放せない企業になることが期待されます。
決算説明資料 |
実績として上場企業においてESG開示の指標としてアトラエのWevoxのエンゲージメントスコアが活用されています。
まだ日本ではESG開示は始まったばかり感があり、アトラエの取り組みとして一橋大学とのエンゲージメントと株価の共同研究など有効性を示す取り組みを進めています。
コロナ禍以降ではエンゲージメントは重視されており、組織のために活用される需要もあることから22年9月期通期でWevoxは前年同期比+75%の成長をしています。
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主力事業である成功報酬型求人メディア事業はIT人材不足もあり掲載求人数が伸び続けています。IT業界におけるシェアは7.7%と高く、IT人材市場は成長性が高いので安定した成長が期待できます。
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Wevoxは既に多くの企業で使われておりデファクトスタンダードと化してきています。
ただし、無形資産の割合が低い製造業や小売などの人が多いけど資産とできていないような業界での活用が低いように思うので、一人あたりの料金設定のWevoxはまだ成長性を大きく秘めています。
また、データ蓄積によりエンゲージメントへ影響する要因を蓄えて精度を高めることができるため、既に多くの企業で利用されていること自体がアトラエの企業価値といっていいでしょう。
株価指標
アトラエは年初来から半値近くに下落しており
1月7日の2452円から12月9日には1435円となっています。
23年9月期は23.7%増収の5.7%増益という予想を出しており、予想PER54倍となっています。
アトラエは2018年のデータからでは赤字がなくPERが出続けていますが、18年〜22年の予想PERでは最大値が362倍で平均値が110倍となっており、54倍のPERは最低レベルと考えていいです。
PBRは6.8倍で、PERと同じ期間の最大値が31倍、平均が11倍で6.8倍のPBRも最低レベルです。
有利子負債比率は1%未満
営業CF黒字、投資CF赤字という成長企業として安定感のある経営状態
四半期ベースの決算を見ているとコロナショックのあった1四半期のみの減収で、売上は基本的に右肩上がりな状態
無形資産が多い企業の株価が伸びるという世界的なケースに従うと、それを提供することができ、無形資産を多く保有するアトラエはPBR6倍でも割安だと思えますね。