住宅の着工件数を見れば日本で不動産セクターがまだまだ成長できる理由が分かる
こういった個別銘柄のみの事象ではないことは取り扱わなかったのですが、私自身は不動産銘柄の投資を狙っているのでデータや予測として日本における不動産市場の今後を考えます。
野村総合研究所、2040年度の住宅市場を予測 |
野村総合研究所の予測ではGDP横ばいにより人口減少とあいまり新設住宅着工件数がダウントレンドを継続すると予測。
バブル崩壊から右肩下がりとなる住宅着工件数により、不動産セクターには問題があると思っています。
何にしても新築が少ない
2020年新築マンション供給戸数予測は32,000戸 |
よくマンション価格が高騰していると言われますが、数が少ないのに需要があればそれはそうだという話です。
マンションの供給戸数が増えながら価格も上がっているなら「このバブルは近いうちに終わる」と考えることができますが、減っているから価格が上がるといううちは崩壊してもそこまで・・・
築30年以上多すぎ問題
20代前半の私の意見で言わせてもらうと築20年以上の賃貸は嫌です。
というのもセキュリティ面や老朽化の面でという話ですね。築30年以上だと改築を入れてリフォーム済みで最新の設備なら良いですが、ただ築30年以上という物件が多いのも事実です。
少なからず都心で住もうと思えば、女子ならセキュリティ完備の物件を選ぶ確率が高いので必然的に総床面積が狭くなってもセキュリティを選ぶ傾向があるでしょうから、新しい物件に自ずと向かいます。
野村総合研究所の住宅着工件数を見れば明らかのように新築はどんどん減少しているので、市場には古い物件が溢れていることになり、さらに新築が減るなら時代に合わない物件が溢れかえっていくために、住宅銘柄は差別化戦略で最新設備を整えておけば、供給側が不足しているので安泰です。
IoT?省エネ?セキュリティ完備?これを満たしていく物件を探すと築年数はどんどん若くなっていくでしょう。
建設業者不足
建設業許可業者数が3年連続で増加! |
建設業界は需要の落ち込みと過度に国民に叩かれたことで地方を筆頭に急速に衰退しました。
その反動で、アベノミクスで国内経済が活況になり投資が増えていく過程では明らかに建設業者が不足しており、大手ゼネコンも海外事業に優秀人材を割いているために、国内は不動産と同様に建設業者の売り手市場感もあり、新築なり建設を増やすのは供給側で制約がかかっています。
差別化戦略できる不動産銘柄はこれからの勝者
上の各種情報で国内で不動産価格が上昇しても新築が簡単に増やせない理由を明らかにしました。
それゆえにリフォームやリノベーション、中古物件の仲介業者は非常に成長しており、住宅着工件数を見るからにまだまだ伸びしろがあります。
さらに、住宅着工件数が減っているため大企業のハイエンドの戸建住宅は確かに強いですが、もっと上の富裕層を狙った不動産企業は伸びしろがあります。富裕層は複数の不動産を保有しますし、売却して新しい物件を買うなどと取引回数が一般層の何倍もあるわけで取引相手としてかなりのインパクトがあり、さらに富裕層ゆえに景気の動向を受けづらいです。
他では最新設備を導入した賃貸不動産を展開する企業も伸びしろがあるでしょう、上に書いたように大企業が展開する最新設備の不動産は戸建住宅であることが多く、賃貸不動産×最新設備は比較的空いている要素です。可能ならタワマンでないほうがいいですね。
リノベーションはニッチ産業として伸びしろ十分、古い物件を蘇らせるのは再利用という時代を反映させており、昔ながらだけど住みやすいようにカスタムされた物件というのは価格も新築より落ちるし都心部から移動する人からすると魅力が高く、上場企業では見つけづらいですが面白い分野。
そのリノベーションや中古物件を繋ぐプラットフォーム企業は上場していますが、ここは今後面白いと思います。ただ物件を掲載しているだけのプラットフォームと差別化でき、リノベーション物件の売買サイトというのは満足度を高めれば既存プラットフォームと競合しないので伸びしろがあります。
終わり
日本の不動産事情は新築が少ないというシンプルな理由で業界の成長ではなく、新規事業として伸びしろが高いです。=中小の伸びしろ十分
いまはバブルで持て囃されたデザイナーズ物件よりも個人に最適化された物件の需要も高く、そこは大企業には対応しきれないです。
大規模な建設業者が小さなリノベーションやリフォームに注力するわけはないので、その能力を保有した不動産開発企業がよく、建設ラッシュがもしきてしまっても自社だから対応できるという差別化ができているところもいいですね。
私が思うにいまの不動産関連銘柄というのは日銀のYCC政策変更で売られていますが、不動産市場のミスマッチなトレンドが変わるとは絶対に思わないので投資対象として魅力が上がっています。