逆金融相場はもうじき終了、次は逆業績相場へ!ただし内需株は業績相場とも・・・
株式を総合的に評価するときは、4つのフェーズを用います。
- 金融相場:金利低下やQEにより資金が株式などに流れる状態→企業は債務を縮小して活発へ
- 業績相場:低金利で企業が新事業など活発となり業績が全体的に改善した好景気
- 逆金融相場:低金利で資金の回転が速いためにインフレ率上昇やそのリスクにより利上げ+QT
- 逆業績相場:金利上昇で企業の新規事業縮小から既存事業縮小まで企業活動停滞で景気悪化した状態
これが基本的な株式市場を評価するサイクルです。
コロナショックにより2020年3月から金融相場、21年12月までが業績相場、22年1月から12月まで逆金融相場、22年12月〜?が逆業績相場
これが私の認識です。
基本的に2つの事象のみで判断できます。
それは利上げか利下げか。これに限ります。
インフレ率が高かろうと利下げ的状態なら株式が上がります=トルコ
アメリカも実質金利で見れば一定のラインで止まったので、利上げも上限が予想しやすいのでドル高終了も同様に予想がつきます。
もし未だに円安進行を予想する人がいるとすると、23年も1月から0.50%以上の利上げを進めていくという予想に他ならないので、そうすると米国企業は新規事業ストップから既存事業からの撤退へ移る可能性がありますね。
Twitterの社員半分削減などはもともと余剰人材が多い可能性がありますが、余剰人材がいるのは新規事業を進めるという現れなので、メタが人員削減するように逆金融相場では全体資金の回転率が悪化=資金調達ができない。なので新規事業は自前のキャッシュフローで行う必要があり、そうなると多くのビッグテックでも新規事業の拡大維持は不可能となります。
それでも円安ドル高が進行するんだと!するなら、アメリカは悪化していく失業率を見ながら利上げのブレーキを緩めないという新しい資本主義を見せてくれそうですw
さて、逆業績相場は移るか実質的には逆金融相場と同時期に既に始まっていると私は認識していますが、こうなると○○セクターは逆業績相場でいい!というのもどうだろう?と思います
一般に逆業績相場では業績が安定しているヘルスケア、通信、消費安定株などが選好されます。ただし、多くの投資家にとって22年は投資できるまともな対象が少なかったので日本株ではヘルスケアや通信は逆業績相場になる前に一定以上上昇しており、下落はしないだろうけど・・・という印象。
流石に逆業績相場+円高で工業株や素材株を買うのは厳しいと思いますが、国内に限れば消費敏感株はインバウンドや経済活動再開により底堅いかなと思っており、業績相場で買うべき銘柄を避ければいいとも限らないと思います。
日本の場合は米国の逆金融と逆業績相場に巻き込まれただけで、国内は景気刺激策が機能すれば業績相場のようなものなので日本株にとっては日本のグローバル株は逆業績相場、内需株は業績相場という歪さがあると認識してもいいでしょう。
そこで11月の決算シーズンに本決算を発表した企業に注目するべき
多くの企業が11月に通期決算を出していますが、ここで最大限注目すべきは来期予想です。
多くの企業は通期決算までの半年間でグローバル経済が停滞しだしたのを認識しているはずで、直近決算が3Qの企業の場合は下方修正など業績が想定より悪化した企業が多くあります。
ここを見ていくに、11月に通期決算している企業の直近3ヶ月の決算+来期予想はグローバルな逆業績相場における指標となるので特に重要です。
さらに書くと、10月11月に1Q決算を発表した企業は世界景気が悪化していく中で通期予想を3、4ヶ月前に予想しているために1Qが従来よりも低い達成率の企業が多く、この3ヶ月だけで企業状況が大きく変わっていることは認識できます。
逆業績相場ではとにかくファンダメンタルズが強い企業を持つべきです。
色々と企業を分析していますが、低いPSR、営業CFがプラスで投資CFに余地がある、継続的利用が前提のサービスなど
個人的な予想として日本以外の国ではインフレから景気悪化した場合に、デフレまでの期間が長びくために賃金停滞と失業率悪化でもインフレ率は地味にプラスみたいな鬱陶しい状況を予想してます。
このときには円高とコモディティの価格正常化が一気に進行すると思うので、日本の外的要因によるコスト悪化企業群はここで盛り返すと思ってます。
日本企業は足元の米利上げ拡大停止により円安とコモディティ高は止まったので、コストによる下方修正リスクは後退しました。円安が止まったので円安メリット株の業績を1ドル150円とかで想定されている企業は上方修正でも物足りないから売りというリスクもあり、円安メリットは気休め程度な状態だろうと思います。
米国は逆金融相場を終えようとしており、逆業績相場へ突入しようとしています。
既に米国企業は新事業終了、人員削減、成長見通し引き下げ等々…
日本は逆業績相場に巻き込まれるでしょうが、中小型株はここに巻き込まれずに次の金融相場の恩恵を受けれる可能性があり、中小型株グロースを引き続き狙っていきます。