割安株は色々な種類があることを把握しておこう!
バリュー株投資というのはウォーレン・バフェットに代表されるようにメジャーな投資手法です。
①株価指標から割安
②成長性から割安
③過去推移から割安
④謎に割安
ざっくりと上の4つが割安株の状態だろうと思います。
株価指標から割安というのはPERやPBRなど一般的な投資で使われる指標で安いもので、例えばPBR1倍以下は割安株に分類されます。
ただし、万年バリュー株という言い方がありまして
「いつも、割安株だよね!」という銘柄が日本にはゴロゴロあります。
こういった銘柄は成長性がない、株主還元が弱い、実際は割安でないなど買われない理由があります。
なので、PBR1倍以下で銘柄を探したとしても大きなリターンは得られないことが多いです。
万年割安株に気をつけよう
①株価指標から割安は万年なリスクがあります。そうなれば保有してから永遠に割安株です。
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こちらは参考としてENEOSのチャートを10年で表示しています。
基本的には2014年に投資していれば現在までの値上がりの利益はほぼ0です。割安株は配当があるので配当リターンで実質はプラスですが資本効率は極めて悪いです。
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株価指標から割安ということでPERを18年から表示したもので確認すると、コロナで原油が暴落した20年以外ではPERが5倍から10倍の間にあります。
PERは15倍以下が割安とされるので、高い状態でもPERは基本的に低い状態にあるわけです。
日本で代表的な万年割安株は地銀など金融銘柄がありますが、昨今は地銀再編や銀行ができる業務範囲拡大、IT化で利益率上昇、株主還元など株価を上昇させている金融銘柄は多いです。
その他では電力や小売、製造業には万年割安株が多くあります。
もちろん、万年割安株からでも大きく上昇する銘柄があります。
条件としては業績成長、特需による利益爆発増加などです。
三井松島産業などは最近ではまさに上に当てはまるものです。
また、万年割安セクター内でも効率化や事業転換で復活するケースはあります。
求められる割安株投資は?
上では万年割安株という基本的には上昇しない銘柄を上げました、こういった銘柄はひたすら下落するケースもあるので割安だから安全でもないと言えます。
そこで安全性が高い上にリターンもミドル程度に期待できる、低リスク中リターン銘柄を発掘しよう!という趣旨です。
そこで用いる手法は成長割安株という、成長性があるのに割安な状態になった
そういった銘柄を発掘する方法を探ってみます。
最初に挙げた4つの割安株判断で②〜③に該当する銘柄ですね。
基本的には下落するイベントがあった以前と現在を比較して、いまが最悪なのか?という疑問から始まり、過去の株価指標から乖離していたり、営業損失以外で株価がマイナスになっていれば買いなど…
本業の最新の状態や、株価下落理由が今の株価or将来の株価で妥当か?という考え方です。
私の22年の成功例から ギフトHD
ギフトHDはラーメン店をチェーン展開している企業で、町田商店を展開しているラーメン屋さんです。
コロナ禍ではほぼ全ての飲食業の株価が下落し、そこから外出規制をオンオフすることで株価がバグっていました。
ギフトHDはラーメン店なのでファミレスや居酒屋ほど影響は受けず、コロナ禍でも20%以上の売上成長を維持していました。
私の考察は
- コロナでラーメン店は影響を受けていない。
- インバウンド再開は追い風である
- 国内の活動再開もしており新規出店も活きる
- 海外展開しており円安が完全な逆風ではない
特に上2つが決め手でしたが、リスクがラーメン店の苛烈な競争くらいだと思いましたが、日本のラーメン店は海外でも成功しているので既にチェーン展開しており、海外展開もしているギフトHDは足元が堅実だと思いました。
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上の考察が世間で認識されていれば、ギフトHDの株価指標はコロナ以前と同等で、株価も上がっているはずという結論なんですが、長期で見ればPERはコロナ以前以下でした。
こちらは直近1年の株価とPERのチャートです。
私は株価とPERが極めて低くなった6月に投資をしました。4月から候補には入れていましたが、6月辺りの下落理由は世界的に株価が短期的な底値だったのでギフトHDは巻き込まれていたという理由だけです。
これは④の謎に割安という状態です。この謎は本業に関係ないという捉え方です。
ギフトHDのPERはコロナ以前は30倍〜50倍のレンジ
21年のPERはそれを参考にしたように40倍程度で推移
しかし、経済活動再開がある22年にPERが6月に15倍にまで低下しました。
これをチャンスと考えると、PER40倍に戻るだけでリターンは2倍以上!というわけです。
コロナ以前のPERを21年は再現していたので、③の過去推移から割安も満たしており、コロナ禍で成長性が維持されていることを考えると割安成長株の条件もあり、株価上昇の条件は満たしていまして、2000円→3500円と倍に近いリターンを半年以内に達成できました。
現在のPERは27倍ですが、コロナ前が30倍から〜なので、私としては30倍以上を上回っていくストーリーがなく、リスクリワード的に重要銘柄でないので売っています。
これが私のギフトHDへの投資事例です。
投資した理由自体はなしとして、数字ベースで考察しても過去PERでコロナ前と21年という1年間のPERが同じ水準にあったという事実。
銘柄スカウターで見る限り、四半期決算が内容悪化していてなどの、PER半減を説明する変化がない。
過去から割安、現在も成長性は継続中で、営業CFがプラス。
こういった銘柄が不当に安い状態なら投資すれば低リスクで中リターンが取れます。
成長性がなくなっていたり、キャッシュフローの悪化で将来の成長性が減少するリスクor増資のリスクがある、などがなさそうな銘柄なら回復する可能性の方が高いはずですね。
今回はギフトHDを例に、割安成長株という長期で保有しやすくストレスが少ない投資方法を書いてみました。
別に大型株でも状況次第では起こりうるため、不当に安いな!という銘柄はゴロゴロありますよ・ω・