決算を無事に生き残る方法
決算をカタルシスに投資するなら決算で勝つというのが必須になってきます。
ですが、長期投資をするとしても3ヶ月に1回ある決算日というのは常に意識するもので、長期で保有しよう!という銘柄が1回目の決算で急落すれば握力は失われる可能性がありますし、自分の見立てが間違っていたのか?ということになります。
長期投資にせよ、決算をカタルシスにするにせよ決算で簡単に負けない方法を私の経験則から書いていきます。
決算前に上がりまくっている状態はリスキー
決算日の1ヶ月から1週間前に上昇して高い状態をキープしている銘柄は決算の内容に期待しているケースが多く、通常の決算内容では上昇分を失うことが多く、上方修正がきたけど材料出尽くしで売られるという展開があります。
決算日前の短期間で2桁%上がっているなら決算期待が強いということなので、後から入るのは危険で避けるのが無難でしょう。
このケースだと好決算でも売られがちなので好決算で売られたなら、その後の決算を狙って安く買うこともできるでしょう。
長期投資でこのパターンにハマってしまったのならしっかりと投資理由であるPERなどファンダメンタルズが好調かのチェック、投資した理由が継続しているかの確認をして、まだ理由が残っているなら買い増すかホールドか、損切りするには惜しい下落パターンだと思います。
決算前に売られている銘柄は平凡でも上がるかも
決算=ファンダメンタルズの最新版への更新だと考えると決算前に売られてPERが低下し、さらに決算で上方修正や本決算後の業績見通しで増益となるならPERが低下するので、株価はPERを戻しに急激に上昇することになります。
その銘柄のいつもどおりの増益だとしても、株価下落でPER低下もあったのなら瞬間的にはPER的には極めて安い状態になります。
投資先の過去PER推移を見て最低水準が決算日という銘柄であれば割りとこのパターンでしょう。
その企業の業績修正のタイミングを把握しておく
企業が業績修正をする癖があるのか?ないのか?まずここの確認が必要で、過去5年で一度も業績修正していないなら景気動向に強いのか、極めて事業の独占性が高いのか保有しやすく買い増ししやすい銘柄になります。
基本的に業績修正はあるものなので次は業績修正のタイミングを見ておくといいでしょう、例えば通気見通しは強気で出すけど、2Qと3Qのどちらかで下方修正を毎年のようにしているなとか、逆に見通しは弱いけど◯月に上方修正すること多くない?とかですね。
事業によっては季節性があって◯月に偏っているなどあるので、企業からすれば今期の◯月の調子がどうかなんて正確に把握できないのでここで大きく跳ねる可能性もあります。
積み上げ型の企業で月次を出しているなら月次を見て株価が反応することもありますし、投資参加者が少ないなら月次から上方修正を予想して利益を取ることもできるでしょう。
私が投資した企業では野村マイクロSは11月決算だけど、例年10月末に上方修正するのが多いな!ということで最低PER水準で投資して、上方修正からの決算、半導体相場で一気に2倍を超えていきました。
あるいはユーザーローカルというAI企業では業績修正が全くない、事業にブレのない計画性のある運営がされているので決算で売られたら買うこともできるし、業績関係ないマクロな環境によって売られるなら買うことができるので修正がどうかでなく、売られすぎたら安心して買えるという判断もできます。
株価下落している銘柄には後から下方修正でバリュエーションが悪化する銘柄も少なくないので、業績見通しのブレが過去から一貫して少ないというのは下がったら買えるというシンプルな銘柄でもあります。
いいと思える決算で売られた!株価は戻るのか?
最後は決算後に「普通にいい決算だと思うけどな〜」と思えたけど下落して、どうしよう?となっている場合のケースです。
最初のように決算の期待が高すぎたのなら株価下落は期待の解消という作業なので、それが行き過ぎるなら買えます。が、期待度が高い状態で投資したなら戻るまでは2点のどちらかが必要です。
①業績は変わらないけど期待値が上がる
②業績が向上して期待値の水準が下がる
この期待値はPERそのもので、期待値高い状態がPER30倍、ない状態が25倍だとします。
30倍→25倍だと株価は10%以上下落するので高値で買えば結構なダメージです。
ただ25倍を通常状態としても業績が上がって同じ株価でPERが22倍まで低下すれば、25倍に株価が修正されたときに株価は戻っているはずで、期待されて30倍に戻るなら前の山より高い株価に到達しています。
このときに重要なのは業績が拡大していること1点で、期待値が再び上がることです。
期待値の方は企業に関係なく、マクロの方からでも動くので全体が上がったから、金利が下がってPER上昇圧力があるからなど色々あるでしょう。業績は企業固有ですが期待値は参加者の数だけありそうです。
高すぎたPERなら戻らないのも仕方ない
上は30倍→25倍のようにマイルドにしました。半値なら15倍まで低下しているので成長企業なら並以下の企業になったということなので業績主導の株高さえ期待できない状態でしょう。
そうでなく、例えば元々のPERが50倍と高ければ半値でも25倍なので半値でPER25倍だと下がっても仕方ないよな?と思う人が投資家だと多いはずで、投資垢とかヤフーを見れば、下がってもまだPER〇〇倍だから〇〇◯円まで無限に下落するはず!!!と日常的に言われていますw
PER50倍の企業なら25%以上の増益は確定みたいな場合でないと保有は難しく、利益倍増でもPERは25倍になる程度なので、平均PERを上げている高成長という神話がどこまで相場内で生きているのか?なくなっているなら20倍のPERでも高いとされるので高値から半値以下になっていく銘柄には元のPERが高すぎたというパターンもあります。
このパターンで逆転を打つなら、売上高成長かつ利益減or停滞の高PER下落株を探して、売上に遅れて利益が上がる事業性を見抜いて、後から利益が倍増するタイミングで保有できていれば株価はそのタイミングで一気に上昇する可能性があります。
結果的に書くと、株価が長期的に上昇するには売上の成長は重要で、利益が同等に伸びる企業ならもっと有利で、ここにギャップがある企業を他の投資家を出し抜いたり、苦戦を耐え抜いて反転してから長期で保有継続するということができれば一気に上がるタイミングで一人勝ち状態になれるでしょう。
株価が短期で倍増する多くの銘柄は、その直前まではずっと横ばいだったり、何なら凄い売られていたりと上昇の前の時期は散々な銘柄のほうが多いので転換点の把握と保有を継続できるストーリーが投資では重要でしょう。