AI株だけが強い理由
当ブログではNASDAQ100やS&P500が利下げする前に確実に最高値を更新することは半年近く前から書いていて、その原動力になるのはAI株関連だろうとも書いていました。
パランティアやC3.AIには2022年末から2023年初頭の最安値で投資していますし、昨年の第二相場では半導体株の野村マイクロSを5500円台を底値と決めて主力株にするなどAIと半導体株への投資をしてきました。
現在の日米の主要株価指数は史上最高値を更新し続けていて、米株に関してはAIと半導体株だけが高値を切り上げていく展開になっています。
なぜAI株や半導体株なのか?
これはAI株上昇の序章あたりで書いた内容ですが、シンプルなクラウドやDXが米国では頭打ちとなり、ビッグテックたちはレイオフをしながら成長分野への投資をする必要があり、そこがAI領域だと分析しました。
AI分野の人たちはこの集中と選択という米国でよくありがちなことを、AIが本物だからAIによって既に人々が解雇されていると興奮していましたが、投資家に説明するために成長分野のAIに資金を移してきただけです。
この中でGoogleというベンチャーからビッグテックになった企業は内部者から、以前のGoogleはレイオフをして、新しい分野には別で新規採用をかけるという一般企業のやり方をしないのになーというぼやきが話題となりました。以前なら多数の領域で研究投資を進めれたという環境から今ではAIへの一極集中的な投資がGoogleという世界でも有数のテック企業まで広がっていることを示唆しています。
今回のAIブームで見逃せないのはAIというテクノロジーが誰にでも使える形で無数のプロダクトが成立したこと(失敗も無数)、また、既存のテクノロジーにAIが簡単に搭載されて、使えるかどうかより、ほぼ勝手にAIが追加されてきたことです。私が利用しているツールの8割にAI機能が追加で搭載されました。使うかどうかより勝手に増えていて、企業は競争上の理由からAI搭載が必須化しているのでしょう。
AIの利用ではクラウド上のリソース消費増やPCの性能の向上が必須となることで、半導体関連は過熱し、AI分野に強みのあるエヌビディアは同業を圧倒しています。
AI関連以外はだいたい微妙な株式相場
AI株以上に上がっているごく少数の銘柄もありますが、セクターとして半導体やAIほど上がっている領域はないでしょう。
日本は2023年からバリュー株相場を世界で唯一推進したので極めて稀なバリュー優位ですが、米国株なんかは最近はグロース圧倒的優位で展開しています。
日米だけで見ているとあまりにもギャップがありますが、
少なくとも米国株ではマグ7と言われるビッグテックのEPS成長+AI、半導体株関連のESP成長を除くと利益はほとんど成長していません。
米国株の過熱感は以下と考えられる
S&P500のPERは予想23倍で過去平均より10%以上高い。
S&P500からマグ7を除くと利益成長なし
株式益回りは極めて低い水準
米10年金利はまだ4%を超えている
つまり、米国株指数のEPS拡大はマグ7+AI&半導体+Fewで他は減益や横ばいで指数のPERは割高水準
米株で伸びているセクターは一般消費財や通信、テクノロジーでAmazon、Apple、Google、Meta、Microsoft、Nvidiaで説明できそうなセクターです。
株式益回りや米金利は相対的な水準で、米株は全体で見直すと割高ですけど今投資しますか?の判断になる材料。
AI関連投資は2024年も好調スタート
テック業界は2024年も引き続きレイオフを継続しており、効率化=利益率改善のための解雇を続けている、それと同時にAI業界の優秀な人材を雇用しているのでいっぱい解雇して、優秀人材を少し増やす程度の感覚で利益を今年も伸ばすだろう。レイオフがされる限りはテクノロジー企業の利益は市場予想くらいは超えていくはずです。
レイオフが増えたことでGoogleのような組織からも内部者からの声が出てきているくらいなので、ほぼ全てのビッグテックはレイオフをしているでしょう。
最近のレイオフを簡単にまとめておくと
- Microsoftが買収したアクティビジョン・ブリザードの社員を1900人解雇(全体の8%)
- AmazonがTwitchの従業員を500人解雇、他のサービスからも
- セールスフォースは直近で700人レイオフ、2023年は社員の10%にあたる8000人解雇
- GoogleはAI分野集中のためにスマホや音声アシスタントなどの領域からレイオフ、X上に突然の解雇通知が出ている
- レイオフを観測している専門サイトでは1月だけで米国で1万5000人以上、世界で3万人近くがテック業界でレイオフされている。
一部のレイオフ理由にAIの活用があるが、全体から見ればそれだけが理由とは言えないだろう。
Googleを例にあげるとAIへの集中投資のために他の分野から人を削っていると捉えるのが流れであり、AI関連雇用が増える代わりにそれ以外がダメになっている印象です。
企業がAIに投資拡大する以上はNvidiaを筆頭にAI技術を使う以上は絶対に避けられない企業の業績が上がることは必須で、2024年は1月の企業動向を見るにテック業界では最優先事業である状態が続いている。
今年のビッグテックはレイオフをしながら投資先を絞り、売上の急成長よりもEPS拡大で確実な経営をしていくだろう。決算でその態度が現れているのでビッグテックのAI投資は増えるはずで投資家ならそこの恩恵に預かろう。
他のセクターを見回すとこれだ!!!と言える分野が存在しておらず、製造業?エネルギー?、テック内だとサイバーセキュリティ?クラウド?
うーん🤔と思える、あえて投資する状況にあるようなセクターがなく、株価指数だけ上がっているので別に割安な企業もそこまでない。
中途半端に全体的に上がっているのであえて投資するほどの企業はなく、それならAIや半導体の決算にワンチャン賭ける方が健全とさえ思える動きのなさです。
2022年は全体的な株価低迷の中でAIという光る原石の凄さに惹かれました。
2023年はその光を誰もが認知し、2024年は2023年から全社が集中するセクターとなったことで引き続き上昇するAI株、これほどの輝きを見いだせる新たなセクターが検討もつかないので、AIフィーバーが終わったら割高で無成長の主要株価指数的に一旦低迷しそうと思っています。
いま唯一ワクワクできそうで一発当たれば売上利益ともに爆発的に成長するだろうなと思えるのはテスラくらいですかね。
テスラは短期的な成長ドライバーがないので市場から見放されていますが、面白い分野に投資しており、時間がかかるが新製品の期待値がもっとも高いのはテスラ。