米30年債の危険な利回り計算をしよう
私は利下げを最大のチャンスだと思っているので、例えば半導体株を買うにはエヌビディアを除けば経済の底を見たい。でも2024年も米国は経済が低成長だが成長するらしい…であるならば半導体株が底打ちしたと見ていい。リーマンショック時も半導体株は先に底打ち反転している。
半導体の需要は回復しそうだが、問題は金利など外部要因だ。
米国30年債利回りの高騰シナリオ
来年は実質金利が2%を超える。なら中立金利が上がると相場で噂されるのも頷ける。
中立金利が上がり実質金利が上がれば30年債など長期金利は上がる。
例えばなのでタカ派的に計算するが、高騰する場合の30年金利は
目標インフレ率2%+実質金利2.5%+プレミアム=4.5%〜5.5%
中立金利が上がれば目標インフレと実質金利に変化をもたらしドル高の可能性があり、30年債は期間のプレミアムで1%を乗っけたら超長期金利は5.5%に到達するストーリーを描ける。
みんなが大好きなS&P500は長期金利が4.5%のときはPER15倍程度が過去の適正値というかストレスのない水準で今が18倍あたりでやや割高。
ただし、米国の大企業は利益主義と現金確保に動いているので利益の進捗率が高い企業が多く日本同様にコンサバな企業が多くて利益の上振れ余地はあるかもしれない。
それは今の金利水準の話に過ぎないので、金利が5%へ向かうなら否応無しに米国株は調整してPERが下がるのがメインとなる。
金利が上がるストーリーはFOMCの2024年の高い実質金利、あとは中立金利上昇の匂わせから5%を超えるシナリオ自体が現実的になっている。
2024年はそれでも経済成長するらしいのでナスダック100の選りすぐりの企業は固定で債務を借りており問題は少なく、さらに高いFCFを考えると問題が解消するはずの2025年以降を見れば下げは弱いかもしれない。
強い銘柄でも金利パニックなら下がるとは思うが、緩やかな金利上昇でもやられるのは再び中小型株だろう。
もともと不採算でFCFが弱い集まりの中小型株は日米ともに苦戦する市場として2024年も続きそうだ。そこでも強い企業はマグマを溜めて利下げを待っていそうなので爆発的上昇する銘柄は当然出てくるだろう。
今回は米30年債の金利が5%へ向かうシナリオを考えていった。
巷に出ている中立金利の話と、FOMCで出てきた実質金利の話を合わせると5%を超えるのが自然とまで言える状況になってしまった。