米ディズニー株の現状をおさらいしよう
ディズニーへ投資できる値段が近づいている。
まず現状のディズニーの状況は配信サービスであるディズニープラスの減損と赤字で、25年度までに黒字化を目指している。
ディズニープラスは値上げを優先し、コンテンツの強化を図っているため、新規ユーザーよりも忠誠のあるユーザーの維持が重要。
コンテンツを減らすことを理解していない人が多いが、人気のない複数のオリジナルコンテンツを同時に走らせるとユーザーを分散する。
月額制なので分散は良いのでは?と思われるだろうが、品質も分散するしドラマなどはシーズン1以降も前提としている。
つまり、Netflixのように話題性のあるコンテンツを作り、一つの作品を盛り上げるには複数のドラマを同時に複数シーズン作るのは割に合わない。
また、ディズニーはコンテンツ企業でもあるが、ディズニープラスでコンテンツを配信してしまい、映画館で見たい顧客を離した。
これを避けるためにディズニープラスに偏重したコンテンツ投資はしないという方針に切り替わり、いまはこれらを上手く進めて既存コンテンツがあとからサービスに入ってくる感じで話題性のあるコンテンツを作るのが映画館タイプであれ、配信限定であれ重要である。
赤字であるディズニープラスの問題と対処は上の感じだろう。
テーマパーク事業は回復しているし、映画事業は不評な作品もあるが赤字ではない。
つまり、ディズニープラスを黒字化できればコロナ以前よりも収益性のある企業が完成するが、まさに今はその再編時期にいる状態。
企業のファンダメンタルズは上の感じだが、次は株価のオプション要因だ。
現在は高値の半分以下で暴落と言っていいが、ディズニープラスで評価されたディズニー株がNetflix同様に暴落していくのはある意味で健全だ。
Netflixやロクが急落すればコロナ禍で同じような理由で上がったディズニーは当然下がるだろう。配当もないし。
現在の株価は82ドルだが、ジャクソンホール・パウエルの発言待ちという警戒下落があるまでは時間外で88ドルで取引されており、86ドルで市場が開いて82ドルで終わった。
プットが多いのは80ドル割れのところであり、ディズニー株にとって85ドルからプラマイ2の範囲は90ドル以上を超えていくか、80ドル以下へのプット通りの下落をするかで引っ張られる範囲でボラが高くなっている。
なので取引量が増加しながら、ずっと80ドル台にいるので業績に懐疑的な人は80ドル以下だと思っていて、業績が市場予想通りだと思っている人は90ドル以上に回復すると思っている。
配当がないので現状維持で保有したい投資家はいないので、振り子に揺られている。
80ドルプットが多い以上は、80ドルを下回るまでは売るという行為そのものであり、逆に80ドル割れになると新たな割高なプットが追加される以外で株価下落は世界株全体の下落以外で説明ができないだろう。
ファンダメンタルズで見れば、来年のPERは16倍くらい、ディズニープラスの完全な黒字化が達成されてしまうと10倍くらいだろうか。
長期投資家が買うにはチャートが酷すぎるが、パーク事業はコロナ前超えで、失敗とされる映画は米国で批判されているが全世界でしっかりと稼げており、ただの米国内企業と見れば失敗でグローバル企業としてはまずまずだ。
ディズニー株を底値で拾うのは難しいが、少なくとも80ドル以下まで押す可能性はプットからはあり、それ以上は新たなターゲット次第だ。PERが激安になるが…
株価が上がるには次の四半期の数字が重要で、利益が上ブレたら事業再編の好調さを示す。
あるいは米国の疫病みたいなストライキが解決すればコンテンツ事業も進む。
問題が山積みのように見えるし、直近はディズニープラスで赤字だが、逆に言えばそれだけだ。ディズニープラス事業は減損とコンテンツ投資抑制で赤字が解消される。