解体工事専業で需要が増え続ける田中建設工業は停滞した今こそチャンス
日本株は金融株中心に売り込まれています。
日経平均株価は28000円から29000円へといくと期待された中で、27000円を割れこむ水準にまで落ちています。
そんな状態では上がるはずの銘柄は上がらず、良い話題があれば燻っている流動性がなだれ込むボラティリティの高い相場です。
田中建設工業は解体工事を専業としており、空き家問題や老朽化した建物の多さから需要が見込める建設株です。
銘柄スカウターで今回も業績や株価指標を見ていきます。
業績推移を見るとキレイに成長曲線を描いており、19年は18年からの反動、20年は経済停滞で動けていませんが、21年からは成長軌道を描いています。
今期は既に3Qまでの決算発表を終えていますが進捗は例年通りとなっており、業績の上方修正済みで、来期の業績予想が重要となってきます。
PERは9倍、PBR 1.8倍、ROIC17%、自己資本比率77%と極めて経営状態が良い企業です。
2019年からの平均PER推移は11倍と現在はやや割安、最大が20倍で最低が7倍であり、8倍台なら投資タイミングでしょう。
田中建設工業がメインとする解体工事はバブル期〜バブル崩壊後の公共政策のもっとも建設が多かった時代から30年経過し、30年〜50年で解体となるため需要はしばらく増える予定です。
来期の業績に期待が持てる理由として直近の決算で業績の上方修正をしており、それによりPERが10倍→8倍へ低下し、そこから上がっている途中でした。
次の決算でさらに業績予想が上向きになればPERから見ると平均にすら到達していないのは割安だと判断できます。
他の建設株と違うのは工事の材料など価格変動が高いものが少なく、現在の親から受け継いだ一軒家を潰していくという動きを見れば、地方でも解体工事は日常的に見かけるため、マンションなど住宅に強みのある田中建設工業は色々な点で景気の影響を受けづらいだろうと思います。
ただ、配当性向が3割だったり、決算資料が個人投資家向けでないなどフレンドリーでない点が多く、低PBRでもないために株主還元強化で上昇は考えづらい。