150円を下回ったソニーFGは買いか?
ソニー株から分離される形で上場したソニーFG
ソニー銀行やソニー損保などCMでよく見かける金融事業をまとめた企業でソニーGの成長に貢献してきた企業でサービスの満足度が高いです。
上場からの動きを軽く振り返ると当初想定価格の150円を上回る200円程度で上場し、そこから下落し続けて初日は200円→170円台に下落し、そこからも連日下げ続けて当初想定された価格である150円すら下回って146円となっています。
一株が安いので買っている人の報告をよく見ますが売りの方が優勢で、ソニーを持っていたら勝手に付与された株なので金融をあえて持とうと思わなければ買い増しよりも潜在的な売りがあるように思います。
ソニーFGは金融株が好調な間に空白だった珍しい銘柄
ソニーFGは銀行株がまだボロボロで割安だった時期にソニーが買い戻して非公開化された企業で、買収の後に金融株が上がる相場になったため業績の伸びや株主還元など他の企業が公開してきた情報や株主との対話という点でだいぶ遅れている印象にあります。
なので、投資家側が直接連絡してIR担当者の方から色々と聞き出す以外の情報が乏しく、投資アプリだけ見れば普通のPERで低い配当利回りの異常な金融株という見え方になっています。
住信SBIネット銀行や楽天銀行などネット銀行系は高い成長率から上場後に高騰してきました。
ソニー銀行もネット銀行系ではありますが堅実経営で停滞感があり、中身としては完全に保険株なので以下では保険業として同業と比較しています。
株主還元は高めに見える
![]() |
決算資料 |
3月期企業なので上場タイミングが中間期にあたりますが、期末配当の予定額で250億円になっているため今期の配当は期末のみと考えられます。
本来は同じ利益水準なら中間期末の年2回の配当で合計500億円という還元姿勢で、公式が出している配当性向は50%になっています。
株探の業績予想に出ている今期の予想一株利益は11.6円になっているので、配当性向50%は5.8円になるはずですが…
株探だとJ-GAAPの最終益である820億円の一株利益が11.6円という表記ですが、公式サイトに書かれている還元方針はIFRS修正純利益の40~50%になっているので今期の修正純利益980億円の50%で配当500億円になっているようです。
なので、株探に出ている一株配当を単純に倍にするのが本来の配当金とすると、配当利回りは4.8%程度になります。
木曜終値が146円なので今期の業績を前提にしたら配当利回りは4.8%となり、東京海上や第一生命より高い配当利回りとなるので還元が同業より低いというのは今期の3.5円で予想される配当金額を見た場合に限ってでしょう。
![]() |
ソニーFG株主還元 |
とりあえず今期の一株益を配当性向50%にしたら4.8%の配当利回りなので、150円割れは同じセクターで見て割高という印象は全くないため雰囲気で下がるなら買いたいなと思います。
1000億円の自社株買いもしていますし、これによってEPSは上昇するため業績が上がるならより割安と見ていいでしょう。
2026年度に修正純利益を1250億円にする中期経営計画が出てるため、順調に利益が出れば来期は増益かつ配当性向50%に基づいた増配になるのでソニーFGが出している情報の通りに捉えていいなら自社株買いが続き、増益かつ増配が迫っているので今の水準は普通に買いですね。
業績の数字が複数あり、これが株探などで数字として出てきてぱっと見で情報が掴みづらいのでまとめると↓
今期のJ-GAAPの経常利益が1220億円で、最終利益が820億円(上の一株益の数字)
今期のIFRSでの修正純利益が980億円となっています。
来期の目標数字がIFRSで修正純利益1250億円目標となっているので、PERを計算する一株利益の数字は株探だとJ-GAAPで、中期経営計画にある配当の元になる修正純利益がIFRSの数字なのは全体像を掴みづらくしていると思います。
来期は修正純利益上で25%程度の増益となるので、それで増配が出てくれば保険業でトップクラスの配当利回りとなりそうです。