ドル円はニューノーマルに突入したのか?
1ドル=120円が限界感だった2022年以前から今では160円までいく時代に突入していますが、多くの日本人や立憲民主党は1ドル100円かあるいはそれ以下を望んでいます。
イカれた人には円で買える物は一定のはずだから1ドル=60円くらいまでいかないとおかしいと新時代の保護主義ムーブを語る人までいますが、今のドル円はニューノーマルなのかなと最近は認識を改めました。
1ドル130円〜160円がニューノーマルか?
アベノミクスで円安となり日本産業が復活して、代わりにiPhoneが高騰しましたがw
コロナまでで一番円安のときが125円くらいで、もっとも円高なときが21年の103円くらいで上と下で22円の差があります。
ですが、アベノミクス〜コロナまではおおむね1ドル=110円〜120円の幅に収まっていたがのスタンダードです。
他方で円安が始まった2022年に1ドル150円目前、2023年に150円突破、2024年は160円台という徐々に上値が上がっています。
同時に下値も130円から、最近だと140円へと10円上がっており、130円を割るかどうかが以前の時代に戻るかどうかの分水嶺と考えていいでしょう。
私は現状だと1ドル130円〜150円が適正なドル円かな?と思っていて、現状で130円割れとなると景気にはかなりの下方圧力がかかり、輸出企業の利益減少と設備投資の減少で二重のダメージをくらい、一次所得が減少して日本の黒字も減るだろうと思います。
代わりに電気代が安くなって、iPhoneが昔より高いけど今よりは安いくらいの10%くらいの値下げはありそうです。
ほとんどの企業はドル円140円では円高で、150円では円安でもない
私の企業業績懸念として、多くの企業が想定為替レートを140円台に据え置いていることから、150円割れて下側にいけば利益は減少に向かう状況となっている点で、
今年は142円までの円高になりましたが、この円高を理由に業績下方修正した企業があるくらいなので企業にとってのニューノーマルはドル円145円〜150円くらいで、ここから外れると業績修正の可能性が高まってくるようです。
なので、円安による業績メリットは既に享受している前提で円高になるとこれが消えていくことから、日銀の利上げで日本株の上値が重くなって高値更新ができなくなってきたのには合理性があります。
投資家は米国など海外起因の円高リスクと、日本起因の円高リスクを検討した際に予測がしやすい日銀のリスクを先に織り込むのは容易なので利上げ=円高なら株価にとっては大きなマイナスで実際にドル円のレンジが下側にスライドするなら、日経平均株価もレンジが下側にスライドする可能性があり、ドル円145円〜150円の株価は現在の日経平均株価38000円〜39000円くらいなのでしょう。
日経平均株価がバブル超えして42000円までいったのは背景にドル円が160円まで進んだのもあり、少なくともドル円での円高は株価にとってマイナスです。
ここを突破するにはEPS拡大という業績面の上昇が必要ですが、同じドル円で伸びる環境でもないので業績が弱いために今年の中間決算は不発でした。
日本の経済財政政策、および金融政策が弱すぎる
トランプ大統領は米国のためにクレイジーな要求を周りにするので株価的には落ち着かないですが、日本経済がシンプルに好調で、マネーサプライが増加していれば日本経済はおおむね好調に進むはずです。
日銀の利上げか、あるいは企業に政府が要求しすぎて投資が停滞したか資金需要が減少し、マネーサプライの増加も止まったために株価も停滞した感があり、複合的に指数が上がる状況には思えないです。
仮に日銀が利上げし、米国が利下げして新たなドル円のニューノーマルで円高方向にレンジが下がっていくなら日経平均株価よりもTOPIXにかなりの分があると思っていて、円高耐性があるのはTOPIXで多く含まれる金融や内需だろうと思います。
ドル円が以前の姿に戻る可能性があるとすれば米国の金融政策次第で、中立金利上昇/潜在成長率上昇があるなら金利は以前よりも高いので円高も以前より高い水準を指すことになりそうです。