かなりブラックスワンに弱い状況
日本、米国、インド株など人気市場のPER上昇、社債のリスク評価の低下、利下げ期待、ソフトランディング期待、労働市場の永遠の良い環境。
今の相場はあまりにも打たれ弱い状態で、ブラックスワンが起きたときに資産を逃がす先がほぼない。
為替を除きたいので日本債!と言いたいが、利上げが夏か秋にあるという状況で日本債は知識がないと難しい。
ブラックスワンに弱い状況
相場が楽観しているときはブラックスワン的イベントに弱く、高値から20%程度の下落なら数年に1回、酷い年なら年2回ある。
世界株が上昇している理由を後付けで答えるなら、AIと付随する半導体から広域に広がる期待、利下げ期待、強い経済などだろう。
一部の脆弱な資産ですら利上げ局面の最悪期からは相当回復しており、ゴールド高値、株価高値、社債リスク平時並みという広域に強気が広がっている。ビットコインも直近に高値をつけた。
突発的リスクが起きたとして、高値のゴールドを買いたいか?悩ましい。
ゴールドは株式や債券と違う動きをするからいい資産であって、株価と一緒に上がっていくゴールドはコロナショック的な考えならセットで下落して、あとから上昇に転じるパターンで、あとからで良いなら株式も上がったのでゴールドはコロナショック時に最高な投資先ではなかった。
日経平均株価が下落するなら3万2000円?
高値が4万円付近の日経平均株価は2割下がると3万2000円となる。
PER的に現状のEPSだと3万2000円は過去でも極めて安い状況ではないので、普通に有り得る水準。
EPS悪化となる軽度リセッションを考えると、3万2000円でも若干の割高や過去平均の上となる可能性もある。
これはなってみないと分からないが、ブラックスワンが発生して、日本株のEPSが悪化するなら日経平均株価は流石に割高な水準。3万円割れは限りなくないと思いますが、業績悪化なしでも3万2000円はありえなくない水準で、悪化もあれば割れることが0ではないことは考えておきたい。
麻痺している人も多いが、日経平均株価は2万円台はコロナ前から経験しているが、3万円台のレンジでキープするのは2023年以降だけである。
なので、4万円台を上回って1ヶ月維持するみたいな3万円台にならない高値キープは、すぐにはないと思っています。
利下げができない状況はブラックスワン的
リーマン・ショックのときにも原油高などのインフレ懸念でFRBは利下げが遅れている。
ブラックスワン的イベントの大小は色々ありますが、利下げができない/しない状況のときは急落が起きやすく、利上げ中と利下げしていない状況に急落が起きることが多い。
2018年のVIXショックとクリスマスショックは利上げ、回復は利下げ。
2022年のNASDAQ2割以上下落は利上げ、回復は超長期金利ピークとAIブーム
過去のITバブル崩壊や、上のリーマン・ショックも基本的に金融引き締め、利下げ前に起きがちで、70~80年代は細かく利下げをしているのでインフレとの長い戦いに今より機動的な利上げ/利下げをしていた。
利下げをしていない状況で資産評価するのは難しく、利上げはPERを低下させる。
今の米株高は利下げを前提としているので、原油高などの外部要因がインフレに繋がる限りは利下げが遠のくため、マクロ環境は短期的に株安になりがち。
FRBは足元の原油高で利下げは決断できないので、6月までの利下げは遠のいている。
もし、何かしらの急落イベントがあってもVIXショックやクリスマスショックみたいな原因が明確でない急落のリスクがあり、市場が目先の見方を変えれば自動的に急落が起きると思う。
米国主要企業の業績悪化+利下げ延期なら米株はあまりにも割高となり、調整の幅は1割くらいあってもおかしくない。ここに追加の理由があれば2割下げるのも自然にさえ思います。
逆に上昇を考えるとすれば、ロシアの終戦、イスラエルの終戦で中東が一気に平和でコモディティ安定。
ソフトランディングの中で上のイベントでインフレが後退し、FRBが適切に利下げがしやすい状況。
AIの進化がもっと広い業界に拡大して、一部だけでなく多くの企業が利益率を改善し、利益を増やしてEPS拡大。
このバラ色のストーリーなら指数として米株の高値追いができる。
ブラックスワンは2023年の米地銀破綻、クレディ・スイス破綻以後はほとんど起きていない。
ブラックスワンは考えたくないし予想不能なので、比較的切り離すことができる、国内メインで起きている変化に投資しています。国内でブラックスワンが起きたら当然終わります😗