なぜ昔から生き残っている投資家が半導体やAI株バブルに乗れていない
米国でもそうですが、よほどのリスクテイカーでない限り、AIや半導体株のバブルに大物投資家が乗れていないです。
日本でも割りと新興や最近入ってきた投資家が最近流行っている銘柄やテーマで儲けており、例えばビットコインなどのようにミーム化しやすい投資対象から大儲けする新型と生き残ってきた人たちで差がつきます。
生き残ってきた投資家は暴落を耐え、ファンダメンタルズに乗ってきた
ある特定期間のバブル化を除いて、株価が右肩上がりな銘柄は長期的な成長つまりファンダメンタルズがしっかりしている銘柄が基本です。
ウォーレン・バフェットがメインの銘柄をコロコロ入れ替えるタイプなら資産はいまの半分以下でしょう。
生き残ってきた投資家は暴落や株価の右肩下がりという地獄のような時期も退場せず、なんならアルファを取ってプラスを取っています。
相場が弱いときの方がファンダメンタルズのある銘柄へ資金が入りやすいので、生き残り投資家は弱気相場の間に強気相場で儲かった投資家と差を開きがちです。
トレンドを追うだけでない、基本やルールに忠実なテクニカル派はどの相場でも一定はリターンを取れるし、期待値としてボラが高まる方が取れる値幅が増すので退場していないテクニカル分析の投資家はルールが厳格です。時間もかかりますし。
相場急騰のときに儲かっているか
自分が儲かる相場という強みが投資家それぞれにあり、私の場合は急落で人々の損失が増えるときに含み損率を5%以内で急落中で買うと決めておいて、相場反転時に現金ポジションが株ポジションに切り替わっていることで相場が戻し切るまえに含み益が2桁に乗っていくという、どちらかといえば急落を前提とした組み方をしています。
なので上昇相場では銘柄を保有し続けるだけで、買うのは急落開始して一定経過後なので機動的に入れ替えるポジションは小さいです。
他方、バブル相場に強い投資家は銘柄が上昇トレンドに入り、相場上昇でもっと上がる投資対象からリターンを得るタイプもいて、こういった投資家はトレンド転換で逃げ切らないと退場してしまう人もいますが、上昇相場の方が歴史的に長いので安定的な運用とも言えます。
上昇相場でもバリュー派とグロース派、その中の投資テーマによっては全く儲からないどころか損失を出す投資家もいます。
バフェットは自分の知っている範囲を投資対象としますが、日本株で自分の知っている投資範囲に絞っているとほとんどのバブルには入れないです。
ただ、2023年からの東証還元祭りはバリュー株全体を上げたので全体が上がるときもあります。コロナショック後の低金利下ではグロース相場で、2022年以降の高金利下は東証還元祭りもありバリュー相場です。
急落時に生き残ることこそ投資家の真価
フルレバならコロナショックの一発で退場しているでしょう。
2022年からの高金利によるナスダック下落相場で2021年までの高成長グロースを握っていれば凄まじい損失だったでしょう。
◯◯ショックという高値から20%から50%という凄まじい下落は2~3年に一度あるレベルでITバブル崩壊、リーマンショック、コロナショックという歴史的なものを除いても過去10年でチャイナショック、VIXショック、クリスマスショック、2022年は名前こそないですが高金利下落トレンドなど高値から数十%の下げはある日突然起きる可能性はいつでもあります。
強気相場の方が期間は長いので、下落に入った段階では多くの投資家は「???」「押し目のチャンス?」となって、下落から逃げずに上げ相場の間の調整だと考えて逃げない投資家が多いです。いずれは上げ相場になるので30%くらいのマイナスで現物なら塩漬けでも大丈夫でしょうが、このときのポジション管理や下げ相場にあるチャンスを狙うかは生き残りでは重要となってきます。
下げ相場が美味しいのは、下げ相場の中にある強いファンダメンタルズの銘柄さえも売りで反応させるので、ファンダメンタルズへの回帰が起きたときにアップサイドがだいぶ上にある銘柄が発生する点で、ファンダ派は弱気相場で強さが出やすいです。
強気相場でのファンダ投資はアップサイドが限定されており、期待のアップサイドの世界に入るので自動的な回帰だけでリターンを狙えるのは弱気相場が生むボーナスと言えます。
最悪なパターン
上昇相場で上昇する銘柄を持っていない。主力にできていない。
下落相場で下落する銘柄を持っている。
この上の条件を満たしているとポジションがフルに近い状態でずっといれば、損失の方が上回るので機会損失と実際の損失でキツイです。
相場ではアルファとベータという指標があり、これは相場のトレンドのときに重要となります。
日経平均株価をベンチマークとしている場合、
日経平均株価の上昇と同じ方向に動く=ベータ
ベータが高いほど日経平均株価と同じ方向に強く動くので、上昇相場では高い上昇、下落相場では高い下落となります。日経平均株価で言えばファーストリテイリングや東京エレクトロンみたいな代表銘柄がベータ銘柄と言えるでしょう。
日経平均株価と全く関係ない、個別株特有の動きをアルファ
日経平均株価の動きを除いたもの=アルファ
相場が下落するときはプラスのアルファを取りに行くことで、日経平均株価が下落相場の状態でもリターンを狙える個別株の選別が必要になります。
上昇相場では高ベータを取りに行くべきで、個別銘柄特有のアルファを狙うメリットは薄くなります、相場が上がるので基準となるベータを最大限に取るべき。
下落相場で高ベータを取れば下落の牽引役を保有していることになるので、次の上昇相場までは手放して、ベータがない、あるいはマイナスの銘柄に期待を寄せるか、レイ・ダリオのようにピュアアルファを取る下落相場での絶対的なリターンを狙う方が無難です。
急落時に生き残ってきた投資家はバブルのときもただそこにいた
バフェットはただ相場にいただけで、何度も色々なバブルを経験している。
バブル期にリターンはイケイケ投資家より相当少ないが、それでも相場が右肩上がりで下落相場に極めて強いのでバブルもショックも波として資産が増える要因としている。
アベノミクス相場で儲けた人をラッキーと言うが、リーマンショックから3.11の日本経済のどん底時に投資をしていた人たちで、民主党で日本企業がどんどん海外に出ていく中で日本株に投資していた人たちは生存していただけで価値がある。
その後も何度か小さなバブルやショックを乗り越えながら、バブル本流に乗らなくとも複利を得て、優良銘柄でも持っていれば資産は増えていきました。
アメリカで有名になった小さな街の労働者で億万長者になった人は、賢明に労働し、図書館で日々勉強し、優良銘柄だけをずっと買い続けて亡くなるときには億万長者になっていた。
これを運が良いとは言わないだろう、長期で結果を残すには長期で優良銘柄を複利で増やしていく。バブルに複利は望めない。
彼はこの場所と本のおかげだと資産を図書館に寄付しているが、昔からいる投資家は賢明で勤勉で勤労な人が生き残ってきた。なので昔から生き残っている投資家が最近のAIや半導体、造船バブルに乗れていなくても普通だと思う。
半導体銘柄は業績に安定感がなく、優良銘柄と言えるかは不透明でインテルでさえ死んだ。
AI株は優良株と言えるバリュエーションではない。
造船は業績の安定感が半導体より悲惨で低バリュエーションであって優良ではない。
長期で安定して成長している銘柄を相場が不合理なときに増やしていく、それだけでいいだろう。
優良企業は逆境に陥っても立ち直るブランドやビジネスモデルがある、短期的にウォルマートが売られても戻ると信じることができるでしょう。
安定した業績、安定したファンダメンタルズ。これにまさる精神的安心感はなく、バブルはこれを短期的に圧倒的に凌駕して、その後にボロ負けする。
優良企業にそろそろ半導体銘柄を入れてほしいと思いつつも、昔からの投資家がそこまで半導体銘柄を主力としない傾向がまだあるので、半導体銘柄はまだまだ新人たちが利益を引っ張る場所とできそうです。半導体はまだまだボラティリティが高すぎる。