クレジットカード会社の3銘柄を比較しよう
日本でクレジットカードを提供している企業としてはクレディセゾン、オリコ、ジャックスの3社が上場しており、各銀行も発行しているがクレジットカードと周辺サービスがメインなのは上の3社である。
東証のPBR改善では全業種がPBR1倍超えまでいくのは流石に厳しいと想うが、自助で株価を上げることができる業績は好調な企業はPBR1倍を目指すべきでクレジットカード会社はアフターコロナで過去最高益へ向かっている。
また、インフレが日本に定着することが実現できるなら出費はインフレ率に比例するので節約には限度があり、カード払いの総額もインフレで増加してクレジットカード会社はインフレに対応できる。
ジャックス
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ジャックスの業績はコロナで大した落ち込みはなく、営業利益は穏やかな増加傾向だったものが2022年3月期から大きく伸びて安定成長している。
PERは7.8倍で過去2年なら高値圏、過去5年なら平均より少し上。
PBRは0.85倍でコロナ前の0.6倍、コロナショック後の0.3倍から大きく上昇しており、PBR1倍に向けて株高となっている。
配当利回りは3.8%と平均より高いがジャックス内では平均を下回るレベルである。
ただ、過去3年は当期利益が平均26%成長しており、配当性向が30%維持の銘柄なので増配は進んでいる。
オリエントコーポレーション
オリコで知られるみずほ系のクレジットカード会社は業績が落ち込んでから回復しておらず、コロナは少しダメージだったが上下要因としては影響していない。
PERは9.5倍で過去平均からすれば低く、株価が低迷していることがジャックスと対比できる。
PBRは0.85倍で1倍達成とは逆で、1倍から1倍割れにコロナ後に落ちていった銘柄でジャックスやクレディセゾンと異なる。
3.6%の配当利回りは出せているほうだが、ジャックスと異なり成長性が乏しく、増益がないので上昇余地がない。
クレディセゾン
クレジットカードでトップのクレディセゾンは当期利益のみなのでグラフを変えたが、最高益を更新している銘柄。
PERは7.1倍で過去2年なら割高、5年なら平均に近い位置、
PBRは0.57倍ともっとも低いが過去平均からは高い位置にある。
東証の改善がPBRを標的としているので、PBRがもっとも低いクレディセゾンなら30%上昇して上の2社にバリュエーションが追いつく。
配当利回りは3.6%で過去平均よりもやや高い状態で、業績が成長傾向なことを考えると割安なのはクレディセゾンとなる。
3社を比較してみるとPERは全体的に低く比較はあまり必要性を感じない。
重要なのはPBRであり、ここではクレディセゾンが優位性を感じる。1倍に到達するのはどの銘柄でも難しいと思うが、0.8倍くらいへの妥協としても0.56倍からは上昇余地がある。
配当利回りはどこも30%の配当性向に従っているようで配当性向に差はなく、引き上げによる株主への利益返却を推進する余地はどの企業も同じで1社が動けば他が動く期待もできる。
配当利回りはジャックスが高いが、もともとジャックスが一番高かったので配当利回りに合わせて3社の魅力が近い状態に均衡化しているようにも見える。
ビジネスモデル的にクレジットカードで市場から大きな差は認識できないので、PBRやPERの差よりも配当利回りの差がもっとも小さいので、どれか1社が大きく乖離すれば移り変わる的な投資家もいるだろう。
ジャックスとクレディセゾンに関しては増益が続きそうなので、配当利回りが4%に近づくなら増配で4%を時間が達成するので買いができる。