日銀のYCC容認幅拡大で少しだけ影響を受ける債券市場と落ち着いた株式市場
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1枚目は日本の10年金利ですが、0.5%以上1%以下の容認をするらしいので0.5%を突破しました。
まだファンドたちは日本国債ショートはしていないようで、0.5%を超えれることを試してからは動きが停止しています。
1%方向に向かう力が強いならもっと上がっていたでしょうから、植田日銀総裁の1%容認はそこまでいけるかな?というメッセージもありそうです。
次はアメリカ30年金利です。
この金利が4%を超えると市場は活気を失うんですが、日経報道で日銀のYCC修正が報じられると4%を超えていきました。
最近の25bpの利上げでも4%に到達しなかったので、日銀の緩和修正の方がインパクトがあるか、単純にサプライズで驚いたのでしょう。
落ち着きを取り戻して4%割れに向かっていますが、日本の長期債が下落するなら、債券の買い手は日本債も候補に入れれるので、米国債は辛いでしょう。
なんせ米国債を一番多く保有している国が日本なので。
日経平均株価は一時32000円まで下落し、そこから32700円まで回復する乱高下
前回の記事で書きましたが、YCC政策変更はサプライズ感だけがあり内容が理解できず、デフレ脱却と緩和修正ならポジティブではないか?と少し書きました。
まだ戻した程度で株価を長期で見ればレンジの動きなので、この政策が本当に影響を与えるのかは不明ですが、日経平均株価にとっては影響はなかったと言えそうです。
日本株のリスク市場ことマザーズ指数は大きく下落し回復する形は日経平均株価と似ている。
しかし、回復の幅が小さく、結局は1%マイナスで本日を終えたので新興グロースにとっては昨年12月と同様にYCC変更が利上げ?となり株価が落ち着くまでに日経平均株価よりは時間がかかりそうです。
今回のYCC政策変更は利上げは伴わないので、短期金利を抑えながら、長期金利を自由にするという意味でイールドカーブが正常な感じで動いています。
アメリカはイールドカーブがずっと逆転しているので、これがリセッション前夜だ!!!とされますが、日本は短期金利は利上げせずに抑えこみ、長期はインフレに任せて長期で1%まで容認しますよという姿勢を見せているので、短期側が上がって長期が上がるしかない米国債と比べると面白い違いです。
日本債は1年、10年、30年としっかりと順イールドなのでYCC政策変更で抑え込みながら、イールドカーブという点では上手くいっているように見えますね。
逆に気になるのは、もし利上げして短期が上がっても、長期がまだ0.5%突破程度なので利上げ幅なくね?という話で、1%にいった方が緩和からの脱却ができるので長期に上がってほしいのかもしれないですね。
日本の30年金利を見たら今回の政策変更は影響が少ないことを示唆してくれている。
10年はYCCで上に抜けそうだが、30年は高値を取っていない。
30年金利が高値突破ならYCCは再び議論の的になるだろう。
金利は惹かれ合うので日本30年は10月と1月に米国に引っ張られて上がり、マザーズ指数はそのタイミングでは死んだ。
今回も足元は上昇しているが、今回の報道よりも10日前の方が高いのでまずは直近高値から突破していかないと、マザーズ指数を売る口実にしては弱い。
金利が高く張り付く限りは、マザーズ指数は上値を更新できなかった指数なので、引き続き債券市場の影響を受けるでしょう。
日銀のYCC変更はサプライズだったので市場はぷちパニックになりましたが、蓋を開けてみれば債券市場は落ち着いている。
特に長期金利が再びYCC政策を議論するところまで上がる雰囲気はない。
しばらくは日本の長期金利を見ておきたい。