【年初来安値】関西電力は増資で下落から年初来安値へ
公募増資で他の電力株を巻き込んで下落していた関西電力は年初来安値を更新しており、公募価格の1780円を下回る1707円まで下落しました。
増資理由
LNGの発電施設やデータセンターへの投資のために5000億円を調達。
発表前は2500円くらいで推移していた株価は1900円台に下落し、公募価格の1780円に寄せてからは下落が続いて1700円割れの可能性が出ています。
株価指標
PER5.9倍
PBR0.61倍
配当利回り3.51%
株価急落で各指標は割安に見えますが、九州や沖縄電力よりはPERが低く、九州や東北電力よりPBRが低いので他の電力株と比べるとやや高いくらいの水準です。
配当に関しては中部、九州電力の方が高い状態です。
関西電力の利点
他の電力株と比べて圧倒的に優れた点はないですが、公募増資によって5000億円を調達している点で他よりは財務余力があるのは良い点でしょう。
公募増資で株価が急落したことから他の電力株は資金調達の方法として使いづらくなっているので社債がベースなら調達額はそこまで変わらないはずです。
評価
電力株は市場からの影響を強く受けるので業績に安定感がないです。
少なくとも減益がないなら増配余地はかなりありますが、景気後退からエネルギー価格が下落して需要が低下すればマイナスなので24年3月期のような大幅増益が期待しづらいです。
低PBRという点では株価対策をしてくるのかな?と思えますが、地銀以上に打てる手がないように思えて、累進配当は業績の安定感から無理なので配当性向を30%〜40%で固定するとしても業績の不安定さから1年後の配当が信用できないので配当株として保有しづらいです。
低PBRの改善なら中部、北海道、沖縄電力あたりは0.4倍台で妙味があり、低PERなら北陸や北海道などが低いです。
諸外国は電力調達コストが高騰すれば価格転嫁を認めて、欧州のように補助金を出したりしますが、日本の場合は規制や上限、諸々の問題で転嫁できずに赤字→転嫁で大幅黒字という流れになるため、それを終えた電力株は大幅増益の未来が見えないので電力需要が増加するという点が投資の前提でしょう。
その点では電力増加要因であるデータセンターを自ら作る関西電力は面白い存在ではあります。